第400話 熊本高校、午後4時

改札口には、さっきのおじさん駅員さん。


友里恵は「あれにのりまーす!」と 駆け出して。



おじさん駅員さんも、さっき周遊券を見てるし・・・理沙の友達だから


「ああ、いってらっしゃい」(^^)。



由香も、あとにつづく。


パティは、さすがに職員証を出して、挙手敬礼。



駅員さんも敬礼(^^)/



改札口の前から、すこし右に曲がっている地下道に駆け込んで

友里恵たちは3番線ホームに停まっているディーゼルカー、豊後森行き単行に乗ろうと。



息が切れそうだ。


友里恵はそれでも駆ける、小柄だから素早い。


どどどど・・・と、駆け出して行って

コンクリートのままのホーム。

[3]と、行灯がある。



そこの中ほどに停まっている、ステンレスボディーが、どことなくバスを思わせる

角ばったディーゼルカー。


青いラインが窓の下に入っている、小柄な。


窓の下には


日田ー豊後森


と、行き先表示が板に書かれて、差してある

懐かしいタイプ。



その折り戸から乗り込んだ。


ステップ1段。


意外、空気バネなのでふんわり、と車体は揺れた。



「はー、乗れた」と、友里恵。



由香は「相変わらず・・速いなぁ」と。はあはあ、と息弾ませて。



パティはとっとことっとこ。


平然「乗れましたね」



友里恵「パティ、やっぱ若いなぁ」



パティ「ハイ。なんたって18歳」



由香「ふるーいTVみたいだなぁ」


友里恵「ハハハ」



パティ「野球部ですし・・・」



と・・・言ったところで折り戸が閉まった。



ツー・・・と、機械式ブザーが鳴って。


ドア・シリンダに空気が入って。


ばたり。





運転手さんは白い手袋で指差して、ブレーキを解放。

マスター・コントローラ1。


出発進行、進路、久大1!


ぐろろっ・・・と、床下でエンジンの音。



クーラーが、天井で風を立てている。



キハ31は、がららら・・・・と

古いバスのように、ゆらゆら、ゆれながら・・・・・、走り出した。









「あ、らら、ららー!こっちだよー」

なおなおは、校舎のゲタ箱で。


ふるーい、木造のゲタ箱。墨で番号が書いてある。


足もとに、使い込まれたスノコがあって。

生徒たちが歩くたびに、かたかた。


皆、楽しそうに金曜の放課後を、笑顔で。



ららは、廊下の方から。「あ、なおなおー!」と、大きく手を振った。

紺のブレザーに、スカート。

ちょっと大きめ(^^)。


とっとこ、駆け出して。「まったぁ?」

にこにこ。


なおなおは「ううん、今来たとこ」と、にこにこ。



ららは「じゃ、イコ?」


なおなおは、うなづいて。かばんを肩に掛けた。



ららは「バレーは?」



なおなお「うん、きょうはいいの。」と、にこにこ。

のんびり楽しむクラブである。


熊本高校は、そういう学校。



ふたりは、ゲタ箱から靴を取り出して。



ららは「ラブレター、入ってないかなぁ」なんて。



クラスが違うので、反対側のゲタ箱を開けて

なおなおは「あ・・・なんか入ってる」



ららは、にこにこ「バレー部のエース、モテるねぇ」



なおなおは、背が高く、おおぶり。よく笑う。

お姉ちゃんは細身の和風美人だったけど。




早速開けて読むと「ああ、いつもの女の子」と、なおなお。




ららは「へーぇ。女の子のアイドルかぁ」と、にっこり。



靴を履いて、つま先を、とんとん。



なおなおは、意外とおしとやかに、かがんで。



「さ、いこ?」



今は住宅が立ち並ぶ熊本高校の付近、以前は緑多い場所だった。


水前寺、と言う駅がある。




駅に向かって、ふたりは、とっとこ、とっとこ。



ららは「このまま行っちゃう?、お家行って着替える?」


なおなおは「うん、このまま行っちゃう。ジャージ持ってるし。バレーの」



らら「そっか」(^^)。



なおなおは「ごまたん、待ってるかなー」





・・・・・お風呂場で寝ッ転がっている(^^)

ごまたんのことを思った。


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