第401話 東海大

その頃・・・回9002列車は豊後森に着く。


3番線である。


愛紗と菜由は、ホームに下りて。



愛紗は、機関士、理沙の所へ・・・・。


とことこ。



理沙は、転動防止措置を取っていて「ああ」と、笑顔。


愛紗は「・・・あの、私、機関区にアルバイトで入ろうと思います」



理沙は「うん。解った。聞いてみるね。でも・・・・青森に行っても

電車になっちゃうかもしれないね。免許。

五能線ならディーゼルだけど、それも気動車だし。

ひょっとしたら、大分区とか、熊本区の方が・・・可能性あるかも。

まあ、わかんないけど、聞いてみるね、後で。」と、にっこり。



愛紗は礼をして「宜しくお願い致します」


理沙は笑って「やーだ、改まんなくてもいいよ」。



愛紗も笑顔になって。「はい」と・・・。



菜由も、そばにいて「良かったね」



愛紗は「うん・・・・。」










熊本高校から水前寺駅までは、すぐ。

住宅街の中でも、ちょっと空間の広いあたりを歩いて。

学生が少ないのは、みんな、クラブ活動に出ているからかな?



ららちゃんは、かばんを背負って。「バレー、行かなくて良かった?」



なおなおちゃんは「ウン。いいの。うちの部、のんびりだから。スポ根じゃないもの」(^^)


ららちゃんは「そーだよねっ」(^^)



とことこ、歩いて。


なおなおちゃんは切符を買って「えーと、どこだっけ?」



ららちゃんは「長陽だけど、立野でのりかえ・・・・220円だっけかな」



なおなおちゃん「ららちゃんは?」



ららちゃん「定期券だもん」



なおなおちゃん「いーなぁ」と、お金入れてボタンを押して。




かちゃり。



切符が出てくる。



駅のおじさんに、はさみを入れてもらって。

なおなおちゃんは「どっちかな?」



ららちゃんは「あっち」と、山の方を指差した。



ホームのお屋根のところに青い看板があって。



ららちゃん「あ、来た!」と・・・。



赤い電車がやって来た。

肥後大津行き、って書いてあるので、なおなおちゃんは「これでいいの?」


ららちゃんは「うん。そこで乗換えなの」




なおなおちゃんは「ふーん・・・?」って。ハテナ顔。

立野乗換え?肥後大津?


良く判らないけど、乗ろう。




まだ4時なので、電車は空いている。

がらっ、と。ドアが開いて。

窓ガラスはサングラスみたいになっていて、中はまぶしくない。


ながーいシートは、黒いモケットに、色とりどりのポイント模様。

カタチがぱりっ、と決まっているシート。背もたれもカーブがついてて。



ららちゃんは「空いてるから座ろうか」


なおなおちゃん「そだねー」


にこにこ。


楽しい下校である。




ドアががらり、と閉じて、電車は出発する。


インヴァータが、ひゅう、と唸って

軽快に走り出す。

まだ新しい電車。



なおなおちゃんは「電車通学っていいねー」と、にこにこ。



ららちゃん「うん。旅してるかんじ」(^^)。



なおなおちゃん「定期で熊本、来れるもん。遊びに」



ららちゃん「来た事ないけど」(^^)。



なおなおちゃん「そっか」(^^)。



シートに座ってても、結構体が傾く。いい加速である・・・・。




なおなおちゃんは「ステキな名前、ららちゃんって。」


ららちゃんは「そぉ、いまさらナニ?」と笑って。


なおなおちゃんは「うん。イタリア人みたいで、おしゃれー」



ららちゃんは「ナオミって、聖書にある「喜び」って意味だから、お洒落だよー」



なおなおちゃん「そーかなぁ、ありふれてるしぃ」




電車はいい加速をして、東海大学前に着いた。



大学生たちは、あんまり上りには乗らないみたいで・・・

それほど混まない。



ららちゃんは「南阿蘇キャンパスに行っちゃってるもんね、この時間」



なおなおちゃんは「さすがぁ」(^^)


ららちゃんは「うふふ」(^^)。



にこにこの、ふたり。



なおなおちゃんは「ららはさあ、じゃあ・・・東海大に行く?」



ららちゃんは手を振って「ムリムリ、わたしの頭じゃ」(^^;



なおなおちゃん「わたしも」(^^;




なおなおちゃんは「うふふ」(^^)

ららちゃんも「うふふ」(^^)。



たのしい、ひととき。

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