第363話 ちげーねぇ

事故報告書を書き終えて、お兄ちゃんは


「まあ、九州でよかった。貨物でよかった」


大都市の電車運転、なんて・・・

やっていたら。


自分でも、誤魔化そうとしていただろう。



機関車よりタイヘンな、電車の運転。

複数の形式の電車をつないで、ひとつのブレーキ制御で動かすし

乗客の数でブレーキの利きも違う。


おまけに、余裕のないダイヤ設定で

遅れると懲罰、オーバーランすると減俸とか・・・。



「やだやだ、そんな仕事」(^^)。



都会なんかに行きたくないよ、と。


嫌な仕事、無理にする事は無いのだから。





したい仕事を求めて、旅するのもいいなぁと思ったり。


「真由美の友達もそうだったな、バスガイドをしてて・・・旅行に来てたとか」



こっちなら、いいかもしれないな。





Y-DC125は、友里恵たちを乗せて

ゆらゆら・・・揺れながら。


恵良駅に到着する。



かたこん・・・かたこん・・・・。



友里恵は「ゆっくり走るのも、いいね」



理沙は「うん、ゆっくり感じるけど、75km/hだよ」



友里恵「ホント?クルマだと75ってけっこう早いけど」




理沙は「線路の回り、なにもないから。日豊線の電車なんて130km/hだし。

あんまり早いと大変だけどね、確認が」



友里恵「130ってすごいよねー。確認って、指差すの?」



理沙は「そう。通過する駅があるし、信号もあるし。まあ、ディーゼルは

95だけど、早くても。北海道は130ってあるらしいけど。」




友里恵は「北海道かー、いったことないな」



理沙は「わたしは、小さい頃行った事あるわ。青森からだと近いから」


パティ「ほっかいどー、でっかいどー」


由香は「ハハハ。それ、国鉄のCMじゃなかったっけ」



パティ「そうだっけか?」と、考えて。



友里恵は「北海道って言うと、お芋とバターと、とうもろこしとか。」


由香は「食い物ばっかだな」



友里恵「ハハハ。あと、シチューと、花のワルツ」



理沙「ああ、それ、シチューのCMでしょ」



由香「なんか、覚えてるなそれ。北海道の映像で」



線路のそばには柵があって、田んぼの畦道。

4月なのに、もう、田植えがしてあって。


青々と茂っている。



友里恵は「学校で、射精大会とかしたっけ」



由香「男子専門だろ  〇写生」



友里恵「ギャグだってば」



パティ「ニホンゴ、ワカリマセーン」

恥ずかしそうに笑う。


理沙「ハハハ。」




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