第342話 ごはんつぶ

KKR由布院、303号室。


畳みに寝転がっていた理沙の部屋の携帯電話が鳴った。






理沙は、さっ、と起きて「はい。橋本です」








電話の声は「橋本さん、大分指令です」50歳くらいだろうか。


柔和な感じの男の声である。




理沙は、その声に和んだ「おはようございますー。何かありました?」






指令は「悪いねー勤務変更、受けてくれますか?」






理沙は「はい。どうぞ」と、メモを取った。






指令「11時45分の「ゆふいんの森」の乗務は別の運転士にして。


豊後森13:00発、日田行き「味覚トロッコ列車」に乗ってください。


帰りは、17:00発の豊後森発、大分ゆき1632列車で。」




と、指令。








理沙は「わかりました」


おそらく・・・・ディーゼル機関車の機関士に急病、とか・・・・


アルコール検知が出た(^^)とか。


そんなところだろうと理沙は思った。




よくある事で、ディーゼル機関車に乗る人と言うのは


蒸気機関車の時代の機関士。だから、高齢化してきているのだった。




指令は「ごめんねー、その代わり、勤務短いけど。移動も勤務だから


楽でしょ?」と。






司令室から出て、会議室で話しているらしい(^^)。








そういう楽な勤務をしていると言う事は・・・・お年よりかな、なんて理沙は


思った(^^)。




あちこち不調が出るのだ、高齢になると。






理沙は「わかりましたー。では、仕業表は由布院駅、ですか?」






指令は「はい。由布院行きの乗務員に持たせましたから、もう着いているでしょう」








こんなふうに、勤務変更もよくある(^^)


若手は、コンビニエンスな乗務員、と言う・・・かんじ。

















友里恵と由香は、1階のプラネタリー・ラウンジで朝ごはん。






由香「ロッキード持ったか?」




友里恵「うん、安倍ちゃん」






由香「それはヤバイぞ」






友里恵「ハハハ」






笑いながら、エレベータで1階ロビーの横に、降りた。






朝ごはんのラウンジには、さっきのフロントさん「いらっしゃいませ」




友里恵は「ごくろうさまー。ありがと。はい。ロッキード」






フロントさん「ロッキー?」






友里恵は「♪しゅっしゅっしゅ♪」と、ボクシングのマネ。




由香は「♪ちゃちゃーっちゃー♪」






フロントさん「ああ、汚職事件か」






友里恵「♪ぴんぴーん♪は、おちんちん」






由香「バカ」






フロントさんは、またのけぞって笑っていた。








パティも、ごはんを食べている。


壁際の4人掛け。




壁は、四角いブロックを嵌めこんだような、面白い作り。


でこぼこ。








友里恵は「面白いね、これ」と、ひっぱったら・・・。




ぽこ☆。




ひとつ取れた(笑)。






友里恵は「あ、あ、崩れる」と、元に戻して。






すぽ☆






パティは「はー、びっくりした」








由香は、口を開けて(笑)観ていた。








友里恵は「あとでくっつけとかないと。ごはんつぶで」








由香「アロンアルファだな」






友里恵「そうそう、タマちゃんもくっつけたって。」




パティ「タマを?」






友里恵「タマはあるの、最初から」






由香「ハハハ」


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