第557話 love

「そうは言うけど、このシチューを美味しいと感じるのだって、結局は

動物を殺して食って来た記憶が、そう感じさせるのさ、人間の。だから、人間どうし相互攻撃するのだけ抑止するのって、難しくないかな」と、アメリカの神様はそれらしい。

スティーヴン・スピルバーグみたいな顔をして(笑)。



「それは簡単さ、食の欲求は単に生理的レベル。攻撃は記憶レベルだから。神経回路が違う。

」と、ドイツの神様は医学的な見解を述べる。




「昔は、日本人だってもっと穏やかだった。

やっぱり、島国らしく島だけで生きているのがいいんじゃよ。飛行機なんか作って行き来しても、ろくな事ない。」と、めぐの国の神様は言う。




「そうね。昔、日本の神様は、嘘をついて懲らしめられた白兎を助けて、介抱してあげた、なんて話もあるくらいね。西洋の感覚だと、悪い事したのに助けてあげるって、優しいけど

それじゃ正義はどうなるの?って」フランスの女神は、いかにも西洋の女らしい。



「いや、それで嘘をついた事を後悔して、もうしなくなればいいんだ。許して貰える事が愛だって。」と、アメリカの神様は、日本に詳しい(笑)。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る