第555話 stew
「融通が効くけれど、もともと正義で争ったりしない。実利くらいで」と、ドイツの神様が言うと、フランスの神様は
「ひとりひとりは、平和な人達なのね」と。
アメリカの神様は「それで、変な独裁者も受け入れてしまうのか」と。
かつて、世界を征服しようと
愚かな戦いをしたのも、日本人のような顔をした人達だった。
どうやら大陸から来た人達だったらしいけれど。
もともと、日本を大陸の領土にするのが
目的だった。
でも、戦争に負けた後、勝ったのはアメリカだたので。
それは誤算だった。
シナリオなら、ソビエトが日本を占領するはずで
その名残で、北のはずれは今、ロシア領土になっている。
アメリカの神様は、そう言った。
「そういう風土なので、外国に占領される経験がなかった。
じゃが、今は西洋に開放されたようなもので
日本人の、善良なひとたちは苦しむばかりだ。
この料理だって、確かに美味しい。
でも、一皿のシチューが1500円もするのは
ちょっと、不思議な値段の付け方じゃ」と
めぐの国の神様は言う。
そうね、フランスならほとんど買えないわ、と女神が言うと
ドイツの神様は、その値段じゃ訴えられると笑う。
アメリカの神様は、似たものを安く売るだろうね、と言う。
「でも、それを買う国民なんじゃな。だから
この国には原発が50基も出来て、しかもひとつ爆発したのに、まだ作ろうとしているけど
国民は何も言わない。そういう国じゃから、わしは心配じゃ。日本の神様は何をしとるんだろうと思っての。
」めぐの国の神様は言った。
だから、心を制御してまでも
めぐの国の侵略を止めてほしい。
そう思っての行動だ、と。
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