第349話  northstar

なにか変。


そう、めぐは感じている。


これまで、この国の政治家たちは

魔法使いルーフィ

の、神経内分泌回路選択型再吸収阻害魔法(笑)

のおかげで、この国の安全を最優先に

考えていたはず。



なのに、一時はルーフィの身そのものも

危うくなったし

魔法の能力を今は失って、元の世界に

戻ってしまったり。




何か、見えざる敵が

この国の前途に立ち塞がり



外国人たちの欲望を煽っているかのようだ。




神様も、気づいているのだろうか?







そう思いつつ、今は親友リサが心配で



とりあえず、リサのお家、お母さんに電話をしてみる。





「突然すみません、あの、めぐですけど、

リサちゃんの行方、ご存知ではないですか?」と



尋ねる。




リサの母親は、少し高ぶった声で



「たぶん、北に行ったのね。

リサの伯父が、今夜、夜行の乗務で

bluemorrisに戻るの。

始発駅のupperfieldに行ったのかしら」と。




車掌区が、好きで

よく行っていたから、と言う事らしい。





「じゃ、行ってみます!」と、めぐは


電話を切ろうとすると、電話の向こうから

気をつけて、と言う言葉が戻ってきた。





こんな時こそ、魔法を使わないと

魔法使いの沽券に関わると

思った訳でもないが

(笑)


めぐは、魔法を解放し、一気に空中へ飛ぶ。



F=mgh m=0



重力から解放されて、地球の自転に伴う

慣性から緩やかに解かれ



舞い上がる。



きょうは、月が近い。


質量を増やす過程で、月の引力も

影響に入ったりする。


0次元モデルを3次元に戻す間の僅かな時間に


得たエネルギーで、首都、upperfieldの


北へのターミナル駅、頭端ホームの

重厚な駅の真上に、ふわり、降り立った。

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