第300話 お掃除マンボ

お掃除好きね、おばあちゃん。と

めぐは言う。



「そうよ、気持ちいいでしょ?」と

おばあちゃんはにこにこ。




「気持ちいいけど、入ってる方がいいな」と

めぐが言うと


おばあちゃんは楽しそう。





「そうね」、と笑っている。



おばあちゃん好き。




ふんわりしてて、優しいもん。



と、めぐは思う。





ずっと、一緒にいようね。



とも。







ボーイフレンドと、デートするなんて

面倒で(笑)。




おばあちゃんと一緒のほうがいい、って


そんな訳で、ボーイフレンドも作らないめぐだった。



ミシェルとの、きょうのプールが


デートだったら

違うけど(笑)なんて。




思い出すと、リサとミシェルは

本当に、仲良しで





にこにこ、思い出してると



おばあちゃんは

「めぐ、楽しそうね」って。





うん、楽しかったよー、って

めぐは答えるけど





洗濯が終わったので

水着を取り出して。



干す。



レモンイエロー、少し、蛍光が掛かってて。




お日様の光に当たって、きらきら。





色は、面白い。


レモンイエローに見える水着は、実は、その補色になる色を


吸収しているので、黄色の光を

跳ね返して、黄色に見える。




蛍光も、もちろん同じ理論。




波長があう、なんて言うけれど


その波長で、色んないろに見える。




虹のなないろ、とか。





わんこは白黒にしか見えないらしい。



ミツバチは、蛍光色に敏感で


だから、サルビアとか、蛍光色の花を

持つ種類が増えたりする。



ミツバチが好むからで


それも、波長の好みである。










それはともかく(笑)。



波長って、波の周期だから



人の好みに波長、って言うのも

面白い類推で、あながち

的外れでもない。







そういう理屈を知らなくても、

感覚で、好き嫌いを決める、基準を波長って言う物理用語で比喩するのも

なんとなく、面白い。



めぐとおばあちゃんは、波長があうのだろう。

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