第299話 memory

美しい音楽のように、心惹かれる

対象は


自然に、惹かれる。



それは、記憶の中、遺伝子の中に

残っている情報、Memoryなので



記憶の持ち主には、どうする事もできない。




不条理だと思う。けど


そういうシステムに

人間は出来ている。





書き換え不可Memoryを、書き換え可能にする


コンピュータで言えば、そんな事になるだろう。


めぐの魔法は、そういう理論で解析ができる。




夢で記憶を組み替えるのは、近代の精神医学でも

しばし使われる治療法であったりもするので

格別、変わった事でもない。



ただ、医師は魔法使いではないから(笑)

麻酔で患者を眠らせて、

夢に語りかける訳なのだけど。









ーーーもちろん、めぐが理論的に考えて

開発した(笑)訳でもない。





自然に、めぐが

会いたいと思っていた、老犬さむや

おじいちゃんに

会うために、夢に旅する事ができた、

そういう事だ。

















ーーーーーーーー;ーーーーーー






ミシェルは、坂道の途中、めぐの家まで来て


名残惜しげに、めぐに別れを告げる。





「きょうは、、ありがとうございました。」と

礼儀正しい少年である。




「めぐお姉さんの水着、見て

興奮しないでね、夜」と、リサはからかう。





「お姉ちゃん!」と、ミシェルは怒る。




じゃ、またねーめぐ。と



リサは、駆け出して逃げながら(笑)。





楽しそうだ。





めぐは、笑顔でふたりの後ろ姿に手を振りながら


「でも、ミシェルがあたしのヌードを想像して興奮するのかしら、夜(笑)」なんて思って



まあ、それもあるだろうなぁ、男の子(笑)だもん。




と、それほど不快には思わなかったのは



ミシェルが、愛らしい少年だったからで



仮に、めぐの事を思っていても

それが、愛ゆえの事で


めぐだけを思ってくれるなら、


そんなに気にならない。







なーんて、想像では思うけど。



「でも、ミシェルを選ぶかどうかはわからないけど(笑)」なーんて。



勝手な事を思ってるめぐ、18歳(笑)。








「たらいまー」と、口調が砕けてしまった(笑)。





おばあちゃんは、まだ畑。




めぐは、かばんの中の水着を

洗濯機に入れて。回してから



裏口から、畑に出た。




「おばーちゃーん。」と



サンダルで、とことこ。たったか。





おばあちゃんは、お風呂の掃除をしていた。



お風呂場は、温泉小屋の中にある。




桧のお風呂を、束子で流して。




木の香は、清々しい。




いつも湧いている温泉だから、お風呂の栓をすれば、すぐ入れるけど。





「おや、めぐ、おかえり。」と


おばあちゃんは、お風呂の桶の掃除をしながら。





「おばあちゃん、お掃除好きね。」と

めぐは、見たままの感想(笑)。

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