第215話  生きる次元








生きる次元



その頃、ルーフィは


もうひとりのめぐ、Megと一緒に

坊やの行方を探っていた。


しかし、見つからない。



「だいたい、なんだってわたしたちが迷子

探しなんて」と、Megは言いかけて

坊やが聞いたらかわいそうだから、と

口をつぐんだ。



「まあ、それも縁だよ」と、ルーフィは

いつものように楽天的だ。



その気楽さ、たぶん

魔法使いだから仕事に困る事もないし(笑)

困窮もない。



そんなあたりから来るのかな、と

Megは思ったりする。




それだけに、困らせてやりたいなんて(笑)

思ったりもするのは、女、21歳。



そういう感情もある。



仏様じゃないもの、生きてるんだもの。




「ねえルーフィ、

めぐちゃんはなんで坊やを置いてまで

帰るなんて言い出したのかしら。」と。


それは関心事。




彼は平然と「うん、なんか

恋人が欲しいみたいでね。」と

言う。



なので、Megはちょっと腹立たしい(笑)


もちろん、愛憎入り混じり。



自身は恋人でありながら、魔法使い故に

淡泊な関係で。



ちょっと不満もある(笑)人間である。



そういうところが言葉に出てしまうのも


女21歳だ。(笑)でも、根っこは優しい。





「ルーフィに恋人になって欲しかったんでしょ」と、優しい声で。






「優しい声だとかえって不気味だ」と

ルーフィは(笑)。





「そうね。わたしだって女だもん。いかに

わたしの3年前と似て非なめぐ、とは言え

面白くないわよ。それは」と。







女だもん。恋人って言うなら

自分だけを見て欲しい。




それは、自然な感情。



既に説明したように、生き物としての

排他性だ。




他の個体と競い合って生き残る為んい

美しくなりたい、強くなりたい。



そう思うのが生き物。




もともと、魔法使いルーフィとは

生きる次元が違う。


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