第216話  別れ道


別れ道



「ルーフィ、あなた自身はどうなの?

ふたりを恋人にする、って

魔法使いには出来る事?」と

Megは、問う。


魔法使いの感覚が、人間には

想像できないので、そう言ったのだった。



ルーフィは、軽快に「そんな事できる訳

ないけど」と答え




でも、その感覚も人間だから、って事だねと

付け加えた。




生きてきた人類としての経験が、遺伝子に

蓄積されている。




人類以前、生物として

優性生殖をする理由は、選択によって

環境適応した種が生き残るため。




なので、人間でも

自分が選んだ相手、それ以外の遺伝子が

家族に混在する事に違和感を感じる。


それが排他。



でも、人間は知性があるから

他の遺伝子を持った人を家族とする事も


できたりする。


おばあちゃんが、坊やを慈しむように。





そう、文化である。




同じ霊長類ひと科の隣人でも、家族は持たない。


群れがあるだけだが、父子関係は不明確である。




人間だけが家族を持ち、父子関係を明確にする

理由は

発情期がないからだと生態学的に類推できる。




農耕、牧畜、の末

貯蓄、経済を持った人類は


その、家族の経済力によって生きている。



食物を得るためなので当然だが.....



しかし、女の子が恋人に


浮気を許さないのは

必然性は無く、彼女自身の排他性である。




生物行動学的には、不都合は何もない。






それをルーフィはわかっているし



彼自身は、魔法使いなので

遺伝子を残す必要がない。




自身が永遠に生きられるからである。




なので、ルーフィから見ると


めぐたち女の子の感覚は、不条理なのである(笑)が




感覚は不条理なものだし、生物的な

必然でそう動かされているので

仕方ない、と考えてもいる。





めぐたちが、人間として生き続けるならば

ルーフィも人間になるか、

それか、別れが訪れる。




そのどちらかだろうとルーフィは思った。

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