第210話  時間の単位


時間の単位



おばあちゃんも、楽しそうに

水玉のドレス(笑)を纏って。



「わ!ステキ。おばあちゃん」と、めぐはにこにこ。



そうかしら、と


おばあちゃんは微笑む。「めぐ、似合うわね。とっても」と


おばあちゃんは、めぐのスイム・スーツを褒めた。





「流れるプールがあるのよ、ここ。」と、おばあちゃんは

楽しそう。


少女のような表情で。



めぐは、うんうん、とうなづいて「じゃ、いこっか!」と



スイム・スーツのまま部屋を出ようとして、気づく。



この格好だと、ちょっと魅力的すぎる(笑)。



めんどくさいなぁ、と思いながら

ふつうの服に着替えて。



おばあちゃんも、またまたのんびりお支度をして(笑)。




山の上温泉にある、流れるプールと言う

不思議な施設へ。


水が豊富なこの地らしい。




水もまた、時を旅している。


ずっと前に山に降った雨が、斜面を渡り

地面に染み込み、疎水層の上に滞留して

地下水になる。



地球の自転に即した、時間の単位とは

また違った、水にとってのゆったりとした時間である。



温泉にもそうした鉱物的なものもあり

例えばこの山の上温泉は、黒いお湯で

古生代の海水であると言われている。

海草などが溶解し、沃土質を含有する。



同じ水にも、そんなに大きな時間単位のものもある。




人間は、そんなに大きな時間単位では生きていないけれど

思っている事は、次世代に受け継がれる。



遺伝情報に文化的継承が見られるのは解析結果から明らかだが

それは、脳細胞などの形成要素によって得られる。


より単純には、人は文化的活動をして

物を書き残す、考え方を構築する。



そんなものが、書物などによって受け継がれる。



読んだ人が共感すれば、考え方に。



遺伝とは違い、知的選択があるので

自由で良い。



生き物はいつか寿命が来る。

その時までに、何かを残す、大抵。



そんなものである。



めぐのような女の子は、男の子にとって魅力的な存在だが

それもまた、生き物の行動、それと

愛、と言う文化的行動の

二通りの魅力による行動がある。



なので、とりあえず生き物としての魅力だけで

追われては適わない(笑)ので


危険は避けるのが賢明(w)と

おばあちゃんも言っていた。








魔法使いルーフィは、もちろんめぐを大切に思っている。

愛である。



でもそれは、生物的な愛ではない。


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