第156話 ちいさな子

ちいさな子



「でも、ほんとだったら。」

寝転がって、お空を仰いで

ちいさな子は、言いました。



「お友達は、助けてあげないと。」

と、ちいさな子は言いました。



めぐは、にこにこして



「うん。そうだよね。」



そう言って、一緒に空を仰いで見ても



本物の空とは違ってて。

舞台の背景みたいで。




・・・・・あたしたちの世界も

時間旅行ができるようになったら


こんな風に見えるのかしら・・・・。



ふと、めぐは

そんな風に思いました。



もっと広い世界を知ったら、

今の世界が、狭く見えてしまうのかも・・・・。




めぐの世界は、3次元の時空なので


4次元の感覚を知ると、確かに

狭く感じるかもしれない。




「でも。」



ここ、今居る2次元も


そこから出なければ、それなりに

幸せなのかしら。




そんなふうにも、思う。



お友達が困る事もない、悪い事も起こらない。


物語の中の世界に住むのも・・・・

それは、それで悪くないのかしら。




めぐは、昔読んだお話を思い出しました。




お話が好きで、いつもお話を読んでいる女の子が居て。



なぜか、本を取り上げられてしまいます。




女の子は、目を錘って

夢を見る事で


想像の世界を楽しむのです・・・・。






それは、想像だから4次元。



「たぶん、ルーフィさんたちの世界はそういう・・・・。」

世界なのね。



そう、めぐは思いました。







現実の、3次元時空。

お話の、世界。



それは、めぐも知っている。




「ルーフィさんたちは、3次元時空を

飛び越えて4次元の旅ができるのね。」




それは、たぶん自由な事なんだろうな、と


めぐは思いました。






ふと、となりでお空を見ている

ちいさな子の気持ちを連想しました。



・・・・お友達が困ってたら、助けなきゃ。






自然な気持ちで、そう思うでしょう。



それで、ゆきうさぎさんに踏まれちゃう雪、が


かわいそう、って思ってる。



優しい子。


ずっと、そんなふうに

優しくね。






ホントの世界は

いろんなひとが、それぞれに。

生きてるから。


・・・・たとえば、同じひとを

好きになったりして。




つらい事もあったりするけれど。




そんな時、優しい君は

心のささえになってあげてね。




そういうひとがいると、助かるひとも

いるから。







ふと、めぐはリクルートさんを

思い出します。



・・・・どうしてるのかしら・・・・。




なんて。

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