第117話 風
風
こんどは、アクセルをゆっくりと開いた。
ワイヤーが引かれ、エンジンは
ピストンが下降するに従って
できる隙間に、空気を吸い込むが
その時、吸入管の途中にある
スロットルバルブを、このワイヤーで
開くのだ。
バルブの下には針状の、ニードルがあり
スロットルが上がると、燃料が
ジェット、と言われる穴から吸われる。
ニードルは加減するのである。
空気と油の機械は、生き物のように
熱を発して動くのである。
エンジンの回転が上がる。
ふたりのりだと、重いので
ゆっくりとしか、加速できないが
F=maである。
運動エネルギー=質量×加速度。
つまり、一人乗りより
ふたりになると、重いぶん
加速はゆったりになる。
それでも、モペッドは
心地好い風のように、走る事ができる。
めぐにとっても、ルーフィと一緒に
ドライブできるなんて
それは楽しいことだろう。
お見送りしてくれているたまぁ、それと
さむに
今度こそ、お別れ(笑)
「ありがとー、またくるね」
めぐは、夏休みの
いい思い出ができた。
バックミラー、まるい、ちいさなものが
ひとつだけついているけれど。
それに、たまぁとさむが小さく映ると
なんとなく、淋しくなって
涙ぐんでしまいそうな、めぐだった。
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