第14話 コメディ
アルバイト、いろいろあった
その日の仕事を終えて、昨日みたいに
めぐと、わたし、ルーフィは
図書館の前から、路面電車の通りまで
歩きながら、お話をした。
ルーフィは、過去へ旅して
悪魔くんが憑いていた人の、悲しい過去を
克服できるように、お薬をあげてきた、と
そんな風に伝えた。
「よかったですね。その方が、しあわせになってくだされば。
赤ちゃんもしあわせになるでしょう」と、めぐは
ハイスクールの生徒にしては、落着いた言葉を発した。
たぶん....それは、宿っている天使さんの言葉かな....。
なんて、わたしは想像した。
時々、台風娘になる時のめぐは
とってもかわいいけど、あっちが17歳の彼女らしい、そんな感じもする。
わたしは、悪魔くんたちからの防御だけ考えていたのに
めぐは、その、クレームを付ける人がお母さんで
その人の赤ちゃんのしあわせを考えていたり。
そういう、深い広い考えも、なーんとなく。天使さんっぽいなぁ、
そんな風にも思った。
でも。
天使さんは、なーんの為にめぐに宿ったのだろう?
めぐは、ちょっと窮屈なんじゃないかしら....?
一度、天使さんに会って話をしたい(3w)そんな気もして。
ちょっと複雑な夕暮れだった。
「ねえ、めぐ」と、わたしはその事を、本人に聞いてみようと思った。
「はい....?..。」めぐは、歩きながらわたしの方を見たので
舗道のタイルにつまづいて、転びそうになった。
「あぶないっ!」と、ルーフィが
支えようと、手をさしのべた。
ところが。
ルーフィの手の高さは、ちょうど、めぐのかわいいバスとのあたりだった(8w)
「あ....。」と、ルーフィはめぐを起こしてから
すぐに手を引っ込めて「pardon,me」
「い、いいえ...。」めぐは、両腕で
ひとり抱きしめ(3w)ポーズで、
でも、真っ赤になって俯いちゃって。
かわいいスカートからのぞく、すらっとした脚まで
真っ赤に染まってた。
男の子に触れられた事、なんて無いんだろうし(アタリマエ)。
わたしだってないわよ....(4w)。ルーフィに触れられたの、なんて。
そりゃ、事故だけど....なんかもやもやするっ(笑)。
めぐが黙っちゃったので、わたしたちも静かに
路面電車に乗って、おうちに帰った。
昨日みたいに、ディナーを頂いて
わたしたちは、それでもふつーに過ごしたつもりだったけど
めぐがおとなしいので、お母さんが心配してた。
「学校で、何かあったの?」と、尋ねても
めぐは、俯いてかぶりを振るだけで
まだ、すこし頬が赤かったり....。
きょうは、温泉には行かないで
お家のお風呂に入った、と言っても
お家のお風呂も、温泉が引いてあるので
お湯の感じは似ている。
離れの、おばあちゃんのトマト畑のあたりに
新しく、温泉を引いて。
お父さんが、お風呂を建てたのは
最近のことだったと思う。
ログハウスを作って。
檜で、バスタブ。
アジアふう、らしくて
とってもいい香り。
....でも....わたし...は。
あんな事件ってなかったなー。
クラスメートの男の子に、ムネさわられた、なんてないし
だいたい女子高だもん...。
思い起こすと、お医者さんしか触ってない(4w)。
おのれーめぐぅー、わたしのルーフィーにぃ!(笑)なーんて。
ルーフィにだって、触られてないのにぃ、あーん
かわいそうなわたしのおムネさん(99w)。
なにいってんだろ、あたし....(^^)。
ま、めぐはわたしだから、いいのか......(?)
「一緒にいこっか」と、わたしは
めぐを、お風呂に誘った。
奇妙におとなしくなっちゃった、めぐを誘って
わたしは、裏庭から
おばあちゃんのひろーい畑を歩いて。
離れにある、ログハウスのお風呂に。
自分の家とおんなじだから、なんか不思議。
でも、一人用のお風呂だから、ふたりで入ると
ちょっと、狭いかしら。
ほいほい、と
女同士で気楽なので、わたしはおーるぬーど(笑)。
めぐ、は
うつむいたまま、背中に手を回して。
ゆっくりと。
ちょっと、まだ素肌はピンクに染まってるみたい。
まーだ、どきどきしてるのかな....。
無理も無いわ。初めてのことじゃ....。
でも、わたしはつとめて明るく「さ、はいろーよぉ。昨日みたく、背中
ながしっこしよっか」と、言うと、めぐは
俯いていた顔をあげて。
「Megさん」と、真面目な顔で言うので
わたしは、どっきりした。
しっかりとした表情をすると、かなり美人だ。
そりゃそうだ、わたしだもん...(88w)なんて、ヘンなことを
わたしは思った。
「.....。」めぐは、黙ってわたしを見ている。
朝露に綻ぶ蕾のように、その瞳は潤み
かたちのいい唇は、きゅ、っとしてて弓みたい。
キスしたくなっちゃう(笑)。
わたしは、そういう趣味はないけれど(3w)
そのくらい魅力的。
「どうしたの?」って、わたしは
めぐの雰囲気で、なーんとなく応えた。
「あたし....ルーフィさん、好きになっちゃった!」
と、おっきな声で言って、泣き出しためぐは
素肌のまま、わたしに抱きついてきた。
若鮎みたいなボディは、ほんとに
わたしの3年まえかしら、って思うくらいに
凛々しくて。
ルーフィも、こっちに転ぶかなぁ(88w)なんて
不埒な想像をしながら、わたしは
めぐを慰めた。
「うんうん....そっか。」そうは言ったけど
ルーフィは、わたしの...。あ、でも
めぐは、わたしだから。
どっちでもいいのか(笑)。
「.....でも.......るーふぃーさん..は...Megさん..の...。」と
めぐは、しゃくりながら絶え絶えに、わたしを気遣う。
「でもね....。いいの。『あなたはわたし』だもん。それに....。
決めるのは彼だし。」
わたしもそう言った。いつか、わたしたちは
じぶんたちの世界に帰る事になるんだもん。
それとも、こっちの世界からルーフィーは戻らないって
そういうかしら?
ちょっと不安に思ったけど、それでも
めぐの気持ちも大切にしてあげたかったし....。
ちょっと狭いかな、って思ったけど
それでも、ふたり並んで洗うには十分な広さ。
なんたって、ログハウスだもん。
「2階つけて、お洗濯物干せるといいわね」なーんて
わたしはちょっと主婦っぽい(2w)あーあ、年かしら。
気持ちを打ち明けて、すっきりしたのか
めぐは、すこし元気になった。
笑顔が戻ってくると、わたしも安心する。
「何も、言わなくていいの....?ルーフィに。」と、わたしが言うと
めぐは、はい、とだけ。
静かに、シャボンを泡立てながら。
ふたりっきりで、こうしてると
清楚で、不思議に魅惑的。
大人っぽいボディと違って、惹かれる感じじゃなくって
大切にしてあげたい、って。
そんな感じに見えて。
....これは、強敵だわ(66w)。
ルーフィめぇ。オトメふたりを惑わせて。
悪いやっちゃ。
そんな風に思ってたら、ログハウスの入り口に
人の気配。
だーれも来ないと思って。鍵は掛けてなかった(笑)。
扉の立て付けが少し悪いので、思いっきり引っ張らないと
開かない。
ばん!
扉が開かれて、わたしはめぐを守ろうと
お風呂の入り口の硝子戸、すりガラスだけど
そこに立ちはだかった。
「あれ...なんだ、ルーフィじゃ....キャー、出てけ、ばかーーー。」と
叫んだので、ルーフィはびっくりして瞬間移動。
手に持ってたわたしの、シャボンがついた海綿は、宙を舞って
ルーフィの居た空間を超えて、ドアに当たって落ちた(笑)。
すりガラスだから、よく考えたら首から上しか見えないのに(33w)
硝子扉開けて、スポンジぶつけなきゃよかった(笑)。
「まったくもぅ。スケベ魔法使いめ!」と、わたしは
すこーし、めぐの気持ちを気にして。
たぶん、わたしたちが入ってるのを知らないで来たのね。
お風呂セット(w)落ちてたもん。
「だいじょぶよ、めぐちゃんの方は見えないから、入り口から。」と
わたしは言った。
「はい.....。」と、そうは言いながらも
めぐは、なーんとなく恥ずかしそう。
だって、ねぇ。なーんとなく....。
着てたものもかごに入ってたし(笑)まあ、見えないようになってるけど。
お風呂上りに、トマト畑でルーフィが待ってて
「ごめんなさいっ!知らなかったの」と、ルーフィは
長身を折るように謝るので、わたしたちも
すぐに、許してあげた。
でも、めぐはやっぱり恥ずかしいのか、俯いて
とっとこと.....。って
お部屋に帰っちゃった。
「どうしたんだろ、めぐちゃん。さっきから.....あ、やっぱ
さわっちゃったのがまずかったかなー。」と、ルーフィは
どーんかん(w)魔法使いくん。
「さわっちゃったって、わざとでしょ、このスケベ!」と
わたしは、肩をはたいた。
「ちがうって、もう。そんなことしないよ。」と、ルーフィは腕で
自分をかばって。
その手のひらを見た。
「あ、感触を思い出してるなー、この、H!本国へ送り返すぞー!」って
わたしは、じぶんでさわっためぐの、かわいらしいバスとを思い出して。
あんな、無垢で初々しいものに、ルーフィが触れたなんて
なんかムカムカ来て。
ルーフィの足を踏んずけちゃった(2w)。
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