第10話 10
とりあえず、学校に行こう。僕は、白い麻のシャツと
グレーの制服のスラックスを身に付ける。
...ん?
脱ぎ捨てたままだった筈のスラックスは、プレスされたように折り目が入ってた。
...今時、流行んないよな....でも、誰が?
"その子"が、本当にここへ来たとしても....
イマドキの子だったら、こんなことはしないだろうし
お母さんみたいに、洗濯物を片づけたり
部屋を掃除したり、なんて事はしないだろう。
僕は、そう思いながら自分の黒傘を持ち、雨の町へと。
学校へ行くため、バス停へ。
その子の傘を使うのは、ちょっと恥ずかしかった。
バスは、込んでいたから
立ったまま、僕は片手でスマートフォンで日記をつけた。
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[Diary] 7月8日。
不思議な傘、部屋が片づいていたり...
どうも不思議だ。その子の仕業だろうか。
どうも、訳が分からない。誰だろう。こんな事するの。
鍵開けて部屋に入ってくるなんて....
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本当にそう思った。バスが揺れたので
僕は、スマートフォンを胸ポケットにしまい、
ステンレスのポールに掴まった。
バスは、揺れながら学校のある坂道、[東高前]とある停留所に停まった。
皆、かったるそうにだらだらと降りていく。
僕は、ふと、胸ポケットにあるスマート・フォンの存在が気になり
ふと、取り出してみる。
,,,,何も、変わったことはない。
日記が気になって、ふと、見てみた。
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