第8話 8




目が覚めても、まだ、その子の幻影が頭に浮かんで離れない。



僕は、スマートフォンの電源を入れ、夢のディテールを日記に記そうとした。


何気なく、過去ログを見た....


すると....!





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[Diary]

5月27日。今日は誕生日。だけれども、特にお祝いをしては貰えない。

淋しいな。その子がいてくれたら....。




---comment----

その子@>わたし?いつでもここにいるわ。それじゃ不満?

はっぴ、ばーすでぃ、つう、ゆ。

これでも不満?

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...そんなバカな.....。僕は、夢を見ているのだろうと思った。

だって、自分だけの日記に、誰かが書き込むなんて。

その子、ってのも僕の想像だ。





ログを、ぱらぱらとめくる。



----*-----

[Diary]

7月7日。

七夕だと言うのに、今年も雨だ。お天気の神様も無粋なものだ。

1年に一度のデートだっていうのに。

傘もさせずに、ミルキィ・ウェイの岸辺に佇んでいる織姫さんを思うと

心痛い。



---comment----

その子@>旧暦だから、8月7日には晴れるわよ。

雨、憂鬱かもしれないね。お気に入りの傘、置いてってあげる。

壊さないでね。

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