【西涼女侠伝】奥儀・九天神功に関して危惧する部分

▼『西涼女侠伝』

https://kakuyomu.jp/works/16816452218737394790


 二〇二一年、十二月二十九日現在の最新話である「第三十九集 九天神功」にてサブタイトルにもなっている奥儀。あとで反動が出るというデメリットはあるものの、内力を他者に付与してバフが出来るという技ですな。

 その技自体は別に元になる伝承とかはないオリジナルなのですが、武侠小説の文脈としては奴ですね。

 「九天神功きゅうてんしんこう」という名前に関しても、この雑記では毎度言及している武侠小説の大家・金庸きんようの作品に複数回登場している「九陽真経きゅうようしんけい」の影響を受けているのは、別に隠すことなく「そうだよ」と断言しますw


 ただ展開としてどうしても危惧してしまうのが、偶然見つけた奥義書で大幅なパワーアップという流れが、ご都合主義になっていないだろうか、そのせいで冷める読者がいないだろうか、という部分ですな。

 勿論ながら一度敗北させている強敵に対して一年も掛けずに勝利するには、単純な修練だけで手が届くわけがないという事情もありますし、チート級な奥儀でもぶっこまないと勝利自体がご都合主義になりそうという板挟みではあったのですな。


 元々プロットの時点で決まっていましたし、蔵書家の王異おうい(家に雑多に溜め込んだ書庫がある)や、狩りで鍛えた動体視力で、元から太刀筋は見切れていたが体が付いていかなかった呼狐澹ここたん(身体能力が上がるだけで戦闘面でのパワーアップが可能という説得力)などの伏線は張っておりましたし、使った後のデメリット(体への異常な負荷で数日間は寝込んでしまう。下手をすると後遺症が残る)や、あくまでも趙英と呼狐澹の二人だからこそ奥儀を即座に活用できた(凡人には何の役にも立たない)などもガチガチに入れたんですが、それでもやっぱり唐突感が拭えずにいる著者でございます……。




 余談ですが、金庸ワールドに於いて「九陽真経」の対となる「九陰真経きゅういんしんけい」というのがあるわけですが、自分の脳内でこの「九天神功」と対となる奥儀も設定上は考えているのですが、それはまた別な作品で出す予定ですw






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