【西涼女侠伝】馬超の嫁「楊氏」についての考察

▼西涼女侠伝

https://kakuyomu.jp/works/16816452218737394790




※Twitterにて長々とつぶやいた物の転載です。



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 馬超の嫁の楊氏は、馬超の嫁という立場と姓以外は、王異に騙されまくったくらいしか残ってないんだけども、これを自作に登場させる上で、百頃王・千萬(氐族)の身内って事にしようと思って設定を詰めている。


 普通に漢人にも楊という姓ならいっぱいいるが、正史寄りの馬超の設定(羌族の村で育ち、漢語は得意じゃない。しかも儒教倫理はだいぶ無視)を考えると、羌族と同じ言語圏の氐族の娘の方がしっくりいく。


 何よりも武都氐をあれだけ動員できる馬超の影響力を考えると、馬超を尊敬していたとかよりも、素直に身内だった方が納得できる。


 ついでに武都氐は後年に仇池を建国した楊飛龍・楊茂捜から先祖に遡って、馬超と共闘した千萬も、楊千萬と呼ばれる事がある。


 陳寿が三国志を記述したのは、西晋統一後と推定されるわけだが、その頃には既に楊飛龍がいたので(陳寿が知っていたかどうかは微妙な所だけど)遡って(楊飛龍と同族の)楊氏と記述されたっていうギリギリ辻褄も合いそう。


 てわけで、自作では氐族楊氏出身の娘って設定で書こうと思うんだが、コーエーさんの『三國志14』の立ち絵が既に胡人っぽいんだよなっていうw


https://pbs.twimg.com/media/E2WIcUTVgAMFbgA?format=jpg


 その流れで行くなら、千萬と同じくリアルタイムで「楊」は名乗ってないってのがポイントか。



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 というわけで、史書では「楊氏」という姓のみしか記述が無く、当時それで呼ばれてないという設定の下では個人名が完全に無くなってしまったので、拙作『西涼女侠伝』に於いては、架空の名として「浥雉ゆうち」という呼び名を付けて登場させる事と相成りました。





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