自作品の根底テーマについて

 Twitterの方で少し語ったので、こちらにも書き留めておこうと思う。


https://www.youtube.com/watch?v=2H5QpvacjIM


 リンク先の歌は、しばしば言及している金庸先生の武侠小説の中のひとつ『笑傲江湖』が映画化される際に作られた「滄海一聲笑」という歌だ。同作は何度も映像化・ゲーム化などもされているので、その度にこの歌がカバーされている。

 (リンク動画はゲーム版(日本では未発表)の時のカバー)



 以下が訳詞(直訳ではなく意訳)


 海が笑ってるよ

 岸に波を打ちつけて

 人生は浮き沈み、ただ漂うだけ


 空が笑ってるよ

 乱れるこの世を

 誰が勝ち、誰が負けたか、天のみぞ知る


 山が笑ってるよ

 彼方に雨を降らせて

 歩みを終えても、この世は続いていく


 風が笑ってるよ

 虚しさが待つと知りながら

 人々の熱き想い、きっと消せはしない



 山が笑ってるよ

 彼方に雨を降らせて

 歩みを終えても、この世は続いていく


 大地が笑ってるよ

 さぁ悲しみを振り払い

 熱い想いを滾らせて、この世を笑おう



 争いを止められぬ人の世の愚かさを歌った物であり、自分自身が歴史を調べる際、そして現実の世界を見る際の目は、多分にこの視点に影響されていると自覚している。主に歴史伝奇小説を書いている自分は、意識しなくても自然とそういう結論に至る話の結びになってしまうのだと思う。


 自分の作品がエンディングを迎える時、(特に乱世の中国史を舞台にした作品ばかりなので)どの作品であっても、この曲がエンドロールとして流れる事を想像して書き進めている。

 その意味で、この歌こそが自分の根底のテーマなんだろうなと思い至り、こうして紹介をしておく次第。





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