第74話・命のやり取りと挫折

此処は『亜空間』のとある場所・・・。


ミラーズの古きダチである卑弥呼が訪れて翌朝・・・。


『トントントン』と・・・。

そんな物音に目を覚ましたミラーズは、

まだまどろみの中、キッチンへと視線を向けた。


(・・・ん?リョウ・・・ヘイ?)


まだボヤけている視界の中、

キッチンでエプロンを着ているユウナギが、

鼻歌混じりに料理を作っているのが見えた・・・。


(・・・夢?

 もしそうなら・・・覚めないで・・・。

 お願いだから・・・このまま・・・)


そう願いながらもミラーズは再び睡魔に襲われると、

そのまま寝てしまった・・・。


「ったく・・・揃いも揃って、よ~く寝てやがるぜ♪

 女は低血圧なくらいが超可愛いってな?

 でも・・・勿論例外ってのは・・・ある」


ソファーに横たる卑弥呼の寝相に呆れ溜息を吐くと、

ベッドで寝息をたてているミラーズにユウナギは優しい笑みを浮かべて居た。


そんなミラーズを見ながらユウナギは、

『さてっと・・・』と呟くと、エプロンを脱ぎ外へと出て行ったのだった・・・。



小屋から出たユウナギは軽く背伸びをすると、

軽くストレッチを始め身体をほぐし始めた・・・。


念入りに身体をほぐし終わると走り始め、

平和でなまった身体を鍛えようとしていたのだった。


「まず基本から・・・だな?」


誰に言うでもなくそう呟いたユウナギが小屋から1kmほど離れると足を止め、

呼吸を整えていった・・・。


「もしかしたら、平和ボケのせいで身体能力が落ちのかも知れねーし、

 それにグータラしてたからな~?

 その罰ってヤツが当たったのかもな?」


苦笑いを浮かべながら再び身体を伸ばし終えたユウナギは、

マジックボックスから『とある片手剣』を取り出すと、

素振りを始めたのだった・・・。


『ブゥンっ!ブゥンっ!』


この『亜空間』のとある場所にユウナギの素振り音が響いていた・・・。

だが、その音はやけに鈍く聞こえ速度もまたそれに比例していた。


「あ、相変わらず・・・何て重さだよ?

 ってか、勇者時代の俺ってばよくこんなモノを余裕で振っていたな?」


勇者時代の己の姿を思い出しながら、

愚痴を言うかのように呟いていた時だった・・・。


『ジャリ』っと何者かの足音が聞こえ、

咄嗟にその足音から距離を取り片手剣を構え戦闘態勢を取った。


「・・・な、何だ・・・卑弥呼かよ?

 朝っぱらから驚かせんなよな~?

 心臓に悪りぃ~ぜ・・・」


構えを解いたユウナギが、重量のある片手剣を肩に担ぐと、

笑みを浮かべて卑弥呼が楽し気に話かけてきた。


「いいね~・・・リョウヘイ・・・。

 いや、ユウナギちゃんよ~?♪」


そんな卑弥呼の笑みにユウナギが肩を竦めて見せると、

歩きながら口を開いた。


「陰の特訓ってヤツかい?

 お前も意外と熱血漢なんだね~?」


そんな物言いにユウナギは苦々しい笑みを浮かべながら、

『茶化すんじゃねーよ?』とそう言った・・・。


「いやいや、別に私は茶化してねーよ?

 こうやって努力してるって事は、相当追い詰められてっからだろ?」


「・・・まぁーな」


「努力している奴を私は馬鹿にしたりはしねー。

 命在る者は藻掻く事を忘れちゃいけねーからな?

 お前のその行いは正しいよ」


「サ、サンキュー」


卑弥呼に褒められ視線を外しながら『礼』を言うユウナギに、

卑弥呼もまた笑みを返したのだった・・・。



それから再び特訓を始めたユウナギは、

卑弥呼に見守られながら続けたのだが・・・。

重量がある片手剣に魔力を流した瞬間、卑弥呼の目が険しくなった・・・。


「待ちなっ!」


「・・・えっ?」


卑弥呼の厳しい声に驚いたユウナギはその手を止めた・・・。


『な、何だよ、一体?』


そう尋ねたユウナギに卑弥呼は手に持つ『片手剣』を指差すと、

首を左右に軽く振りながら口を開いた。


「ユウナギちゃんさ・・・。

 何で神力ではなく魔力を流したんだよ?」


卑弥呼の指摘に『はぁ?』と声を挙げたユウナギは、

魔力が流されている片手剣を見つめた。


「・・・何がいけねーんだよ?

 手順・・・みたいなもんでもあるのか?」


片手剣を見つめながら首を傾げるユウナギに、

卑弥呼は分かりやすく説明していった・・・。


「・・・何故、神力を流さねーんだよ?

 そこは魔力じゃなく神力だろ?」


「・・・し、神力って言われてもよ?

 今の俺には余り神力を使用出来ねー理由があんだよ・・・」


「それなら尚更じゃないのかい?」


「・・・どう言うこったよ?」


「・・・いいかい?」


そう口を開いた卑弥呼は詳細をユウナギに説明し始めた。


そしてその説明はこうだった・・・。


神力というモノは使用しなければ徐々に弱くなる為、

ユウナギの力が減少していく原因の1つだと説明され、

その説明に『まじか?』と声を挙げたのだった・・・。


「でもよ?神力なんてそうそう使う事もねーだろ?」


そう疑問を口にしたユウナギの意見は最もだが、

『それはお前が間違っているからだ』と告げられた・・・。


「・・・間違い?何が間違いなんだよ?」


「お前は何もわかっちゃ~いねーな?」


半ば呆れながらユウナギに近付くと、

卑弥呼は突然着物を脱ぎ始めた・・・。


「って、おいぃぃぃっ!?ちょっっっっと待てぇぇぇっ!?」


突然脱ぎ始めた卑弥呼にユウナギはそう怒声を挙げながら顏を背けると、

顔面を『ガシッ!』と掴まれ無理矢理顔を向けさせた・・・。


『痛いっ!痛いっつーんだよっ!?

 く、首が・・・お、俺の首が壊れるぅぅぅっ!?

 いたたたたたたたたたたっ!』


無理矢理顔を卑弥呼へと向けられたユウナギは、

目に涙を滲ませつつも卑弥呼を見ると、

上半身だけはだけさせたその身体には、何重もの『サラシ』が巻かれてほっとした。


そんなユウナギに卑弥呼は『ニヤり』と笑みを浮かべながら、

『・・・私の色気に惑わされてんじゃねーよ?』と笑われた・・・。


「そ、そんなんじゃっねーし・・・。

 全然・・・平気だし・・・。

 勇者時代に俺・・・『ビキニアーマー』で鍛えられてるしっ!」


そう顔を赤らめながら背けたユウナギに、

卑弥呼は楽し気に笑っていた・・・。



少しして状況を説明し始めた卑弥呼の声に、

ユウナギは真剣な表情へと変わった・・・。


「いいかい?何もこうやって特訓の最中だけ神力を鍛えるものじゃないんだよ?

 日常において生活の中でも神力ってのは鍛えるもんなんだよ」


「・・・どう言うこった?

 日常の生活の中でも出来るって事か?」


「あぁ、そうだよ・・・。

 ちょいと見てな・・・」


そう言った卑弥呼は軽く『ふんっ』と気合いを入れると、

その視線が筋肉が盛り上がった上腕へと向けられた・・・。


卑弥呼の視線に促されるままユウナギも視線を向けると、

卑弥呼の上腕だけに神力が集約されている事に気付いた・・・。


「えっ?はぁっ!?ま、まじかっ!?

 か、身体の一部分にだけ・・・し、神力を集中してんのかっ!?」


余りの驚きに双眼を見開いたユウナギに、

卑弥呼は口角を上げると『次はどこか当ててみそ?』と楽し気に尋ねた。


「・・・えっ?一瞬でもう違う部分に集めたってのかっ!?」


驚きつつもユウナギは卑弥呼の身体をよく見る為、

一歩後ろへと下がると、神力が集まり留まる場所を探した・・・。


そしてッ『あっ!』と声を挙げると、『右の膝かっ!?』と驚いていた。


それから数度それを繰り返し、卑弥呼は軽く頷くと、

『これで最後だよ?』と笑みを浮かべた。


ユウナギは額に汗を滲ませながら、

卑弥呼の身体を目を皿にして凝視して行くも、

その場所は見つけられず、疲れからか両手を膝に付き息を荒げていた。


「・・・見つけられなかったな?」


そう楽し気に声を挙げた卑弥呼に、

ユウナギは『降参だ・・・』と返答すると、

卑弥呼は意地悪そうな笑みを浮かべてこう言った・・・。


「正解は・・・乳〇だよ♪」


そう言った瞬間・・・。

『スパーンッ!』と卑弥呼の頭をはたき、

その強烈な打撃に卑弥呼の顔は地面に埋まったのだった・・・。


『ふごっ!ふごっ!』と必死で地面から顏を抜こうとする卑弥呼に、

ユウナギは怒りの形相を浮かべ怒鳴った。


「ふっ、ふざけんじゃねーっ!

 てっ、てめー・・・いい加減にしろってんだっ!

 そ、そそそ・・・そんな所に集められても分かるはずねーだろうがっ!?

 お、お前・・・実はバカだろっ!?

 ってか・・・日本の卑弥呼ってヤツはただの『痴女』かよっ!?

 ってかっ!そんな所に神力集めて、一体何をしようってんだよっ!?」


いつの間にか手に持たれていた『緑色のスリッパ』を引き千切り捨てると、

未だ顔面が抜けない卑弥呼の後頭部を掴み、

無慈悲に無理矢理地面から引き抜いた・・・。


『ぐぁぁぁぁぁっ!』っと引き抜かれた瞬間、

その激痛に絶叫した卑弥呼をまるで『ゴミ』でも捨てるかのように、

荒々しく放り投げると、地面に転がった卑弥呼は藻掻きながら転がっていた。


「ふっ、ふざけんじゃねーぞっ!こらぁぁぁっ!」


『ぜぇ、ぜぇ』と肩で息をしているユウナギの声に、

卑弥呼は『うぅぅ』と呻きながら自らの顔面に『ヒール』を使用した。


回復した卑弥呼は立ち上がりながら笑みを浮かべると、

何故か偉そうな態度で口を開いた・・・。


『フッ・・・。コレが達人技っつーもんだべ?』と、態度がでかかった。


「つーもんだべ?って・・・あんた・・・」


「ん?」


「達人ならもっと他にやりようがいくらでもあんだろうがっ!?

 本当の達人ならっ!もっと相応しい事をしやがれってんだっ!」


そう声を全力で荒げるユウナギに、

卑弥呼は『フッ』と笑みを見せると何故かドヤ顏をして見せたのだった。


そして卑弥呼はユウナギを見下すようにこう言った・・・。


『・・・おこちゃまめ♪』


「だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!

 てっ、てめぇぇぇぇっ!もう、あっっっっったま来たぁぁぁぁっ!」


そう怒りの咆哮を挙げたユウナギは一瞬にして魔力を漲らせると、

嘲笑する卑弥呼に襲い掛かった・・・。


「ぶっっっ飛ばぁぁぁぁぁぁすっ!」


ユウナギの突進とそれプラス・・・。

瞬時に3つのバフをかけたその拳が卑弥呼を襲った。


『うおりゃぁぁぁっ!』


『ブオンッ!』と凄まじい威力を秘めたユウナギの拳が襲うも、

卑弥呼はその一撃を再び人差し指一本で難なく防いだのだった。


「ちぃぃぃぃっ!でもよぉぉぉぉっ!」


咄嗟に魔力から神力に切り替えたユウナギに、

卑弥呼は一瞬唖然としたが、すぐに笑みを見せその攻撃も防いで見せたのだった。


それが数度繰り返されるも、ユウナギの攻撃は全て・・・。

卑弥呼の人差し指1本によって防がれた・・・。


『はぁ、はぁ、はぁ・・・ま、まじかよ・・・?

 こ、この・・・化け物め・・・』


呼吸を大きく乱し視界が歪むユウナギに、

卑弥呼は不敵な笑みを浮かべ口を開いた・・・。


「魔力と神力の切り替え・・・それは悪くなかったぜ?」


『イラッ!』


「だけどな~・・・おこちゃまよ?」


『イライラッ!』


「・・・基本がなっちゃいねーよ?」


「・・・き、基本だ?」


突然真顔になった卑弥呼の言葉にそう尋ね返すと、

更に険しい双眼になった卑弥呼はユウナギに指摘した・・・。


「兎に角、お前は基本がなっちゃいねーな?

 まぁ~戦い方や基本的な動きを見ていてもそれがわかったが、

 お前の動きは戦う為の動きじゃねーんだよ・・・」


「た、戦う為の・・・動き?」


「あぁ・・・。

 お前の筋肉の使い方や呼吸の仕方は、

 簡単に言うと『スポーツ的』なのさ」


「・・・スポーツ的?って言われてもよ。

 まぁ~実際、俺はスポーツやっていたからな?

 ってか、そんなのはみんな同じだろ?」


そう言い返したユウナギに卑弥呼は口角を上げながら、

肩を竦めて見せた。


「スポーツと命のやり取りでは全然重さがちげーんだよっ!」


その卑弥呼の言葉には、言い知れぬ重さがあった・・・。

ユウナギ自身、此処まで魔族との戦いで『死線』を潜り抜けて来た。

そんな自負が確かにあったのだが、

卑弥呼から発せられた『言霊』には確かに『重さ』があったのだった。


「い、いや、でもよ?

 俺は俺で魔族と戦って幾つもの『死線』を乗り越えて来たんだ・・・。

 そんな俺に『スポーツ的』って言われても全然納得いかねーよ」


真剣な眼差しでそう言ったユウナギに、

卑弥呼は軽く頷いて見せたが、更に厳しい口調で言放った・・・。


『スポーツに命のやり取りはねーんだぜ?

 『死線』を幾つも乗り越えて来ただぁ~?

 てめー・・・何処までおこちゃまなんだよっ!?

 本当の命のやり取りってのはそうじゃねーんだよっ!

 だから踏み込みも足りねーっ!

 魔力や神力の集約もガバガバだっつーんだよっ!

 てめーの『弱体化』は単にお前の『怠慢』じゃねーかっ!?

 お前に足りねーのは・・・。

 『命がけの一歩を踏み出す』事なんだよっ!

 分かったかぁぁぁっ!クソボケがぁぁぁぁっ!』


卑弥呼にそう怒鳴られたユウナギはそのまま膝から崩れ、

四つん這いになると、ただ・・・茫然とするだけだった・・・。


『ふぅ~』っと息を吐いた卑弥呼は、

崩れ落ちたユウナギを見ていると、その後方からこちらを見る視線に気付いた。


「・・・ミラパン」


「・・・・・」


一度視線をユウナギに戻し、再び視線をミラーズに向けた卑弥呼は、

何も言わずユウナギの前から立ち去り、

不安げに見ていたミラーズの所へと歩き始めた・・・。


そして視線を交わらせる事なく、

ミラーズの横でその足を止めるとこう言った・・・。


『・・・少々言い過ぎた感はあるけどよ?

 でもこのままじゃ、『元・勇者殿』は無駄死にするだけだぜ?

 私はこれで暇すっけど・・・。

 ミラパン・・・後は任せだぜ?』


「・・・えぇ、嫌な役をさせたわね?」


「いや、構わねーよ。

 こんな事が出来るのは3人の中で私くらいなもんさ♪

 だけどな~・・・ミラーズ」


「・・・ん?何?」


「あいつには何かきっかけが必要だと思うぜ?」


「・・・きっかけ?」


「あぁ、ステータスなんざ気にしねー・・・

 そんなバカヤロウみたいなヤツがな?」


そんな言葉を吐く卑弥呼に、ミラーズから『フッ』と笑みがこぼれた・・・。


「・・・そんな事、言われるまでもなく分かってるわよ?

 でも・・・ヒミぞう。

 ありがとね?あんたには感謝しているわ♪」


何も言わず卑弥呼は『フッ』と笑って見せると、

そのまま『時空洞』を開き、その中へと入ろうとした・・・。


その時だった・・・。

突然何かを思い出した卑弥呼はマジックボックスを開くと、

その中から『小さな革袋』を取り出した・・・。


それをミラーズに手渡すと、首を傾げるミラーズに伝えた。


「この中に入っているのは、昨日私が作った『薬』だ」


「・・・く、薬って?」


「あぁ、昨日言ってたろ?

 ビビって『冥界の力』を使えないばかりか、

 その影響で神力を無駄に消耗してるってさ?」


「うぅ、確かにそう言ったけど・・・でも、この薬は?」


不安げな顔を見せたミラーズに、

卑弥呼は苦笑して見せると、『薬』について説明した。


「この薬は一本飲めばおよそ1時間・・・。

 冥界の力の制御をしてくれる。

 だからコレを飲んでおけば、力が暴走する事もないばかりか、

 大地に与える影響も最小限に出来る」


その説明にミラーズは一瞬、疑いの目を向けたが、

卑弥呼は苦笑いを浮かべて口を開いた。


「まぁ~、ユウナギにはキツく言ったけど、

 私は私なりに・・・さ?」


ウインクしながらそう言った卑弥呼の動きを見て、

『・・・もう行くの?』と尋ねたミラーズに、

『時空洞』のへりに手を掛けた卑弥呼は満面の笑顔を向けた・・・。


「今度は3人で会って飲もうぜ?

 とりま私はイザ子の所にでも顔を出してくるわ・・・」


「・・・えぇ、今度ね?

 イザ子に宜しく伝えておいてね?」


「・・・あぁ、頑張れよ?」


「・・・えぇ」


「・・・じゃ~、あばよ」


「・・・またね」


そう互いに挨拶を交わすと卑弥呼は『時空洞』の中へと姿を消し、

ミラーズは打ちひしがれたユウナギを見て哀し気な目を向けていたのだった・・・。


だが此処で1つ・・・。

ミラーズは呟くように疑問に思った事を口にした・・・。


「・・・とりまって、何かしら?」


そう呟くミラーズは再び首を傾げると、

ユウナギの下へと歩き始めたのだった・・・。



そして此処にその光景を見つめる視線が1つ・・・あった。


だが見ていた者の感情は非常に複雑であり、

言い知れぬ感情に悩まされていた・・・。


(ひ、卑弥呼のヤツーっ!?

 わ、私を置いて行きやがったっ!?

 ったく・・・あのエロビッチめっ!?

 一度私の『糸』で捕縛してこんがり焼き上げてっ!

 『上手に焼けましたぁ~♪』とか言ってやりたいっ!

 とは言っても・・・ね?

 これからミラーズ様は大変になるし・・・。

 私も見てしまった以上、放置なんて出来ないし・・・。

 それに私の主はユウナギ様だからね~?

 何か私に出来る事があればいいけど・・・)


複雑な心境中そう思う『らぶりん』の戦いは続くのだった・・・。

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