第35話 通販で買う時は、その会社にも気をつけろっ!

その夜・・・。


ユウナギは自室にて部屋の隅に置かれたプレゼントを見ていた。


「・・・あぁー・・・ったくよ~・・・。

 まぁ~あいつはあいつなりに俺に気を遣ってたって事か・・・」


ユウナギは頭をボリボリと掻きながらそのプレゼントを手にすると、

テーブルの上に置き、中身を引っ張り出した・・・。


「マッサージ機ねぇ~・・・」


ユウナギは中に入っていた説明書を取り出すと、

1人用のソファーに腰を沈めながらその内容を確認していった。


「ん~・・・なるほど、床に置いて寝そべるタイプなのか・・・。

 で・・・?ふむふむ、操作するのは~・・・この操作ユニットか・・・なるほど。

 それでっと・・・。

 一般的な家庭用の魔石を操作ユニットのボックスに入れてっと・・・ふむふむ。

 むむむむ・・・こ、この手のモノに触れるのは久々だからな~?

 オラ・・・わくわくすっぞっ!♪」


にんまりと笑みを浮かべたユウナギは、

説明書を片手に「魔石、魔石っと・・・」と呟きながら探し、

自室の戸棚を「確かここら辺に・・・」と再び呟きながら探し始めた。


「おっ!あった、あった!

 よし、後は~・・・操作ユニットのボックスに入れてっと・・・。

 それから、それから~?

 ふむふむ、魔力コードを操作ユニット本体とを繋ぎ~、

 もう片方をマッサージ機側へっと・・・」


基本的にユウナギの性格は職人気質である。

従って、説明書などを一度読み始めると止まらないのである。


「一応・・・部品の不足などはないようだな~♪

 ふむ・・・しかし何だな~?

 この手の商品と言えば、品質も悪く手触りも悪いってのが普通だと思っていたが、

 ふむふむ・・・最近の通販は・・・悪くないね~♪」


ユウナギはマッサージ機の品質に感動し、

いつの間にかその表情も満足気だった・・・。


すると・・・。


「コン、コン」とドアをノックする音が聞こえた・・・。


「・・・ん?誰だ~?」


「ライトニングで御座います。

 ユウナギ様、このようなお時間に大変申し訳御座いません」


「・・・は、入れ」


「はい、では失礼致します」


ドアを開け中へと入って来たライトニングは、

テーブルの上に出されているマッサージ機に目が止まった。


「ほう・・・これはアスティナ様の?」


「あ、ああ・・・折角もらったモノだしな?

 い、一応・・・その、なんだ~・・・ふ、不備がないかをだな・・・」


やや顔を赤くしながらそう言い始めたユウナギに、

ライトニングは優しく微笑んでいた。


「ご、誤解・・・す、するなよ?

 お、俺はただ、ふ、不備がないかをだな~?」


「はっはっはっ・・・承知しておりますよ♪

 何も私はユウナギ様が嬉しくて、開けてしまっただなんて・・・

 これっぽっちも思ってはおりませんから♪」


「・・・うぐっ」


笑顔で図星を突かれたライトニングに、

ユウナギは赤面しながら押し黙ってしまった。


するとライトニングは笑顔から突然真剣な表情へと変わると、

ボソボソと何かを話し始めた。


「・・・と、言うのが現状のようです」


「・・・なるほどな。

 って事は奴らはまだ暫く動きそうにもない・・・って事だな?」


「奴らも今回の事で痛手を被≪こうむ≫ったのですから、

 そう考えるのが妥当かと思われます」


「ふむ・・・そうか・・・。

 ところでエルの方はどうなっている?」


「そ、そちらは・・・」


ライトニングにしてはとても珍しく、

エルの名を聞いた途端苦々しい表情を浮かべて居た。


「何だ?問題でもあったのか?」


「い、いえ・・・エル様に関してはリアンダーが直接指導しておられるので、

 私如きが口を出す事もないかと・・・」


「・・・ははは」


リアンダーの名が出た途端ユウナギ自身も色々と想像出来たようで、

ライトニングと同じような反応をする事になったのだった・・・。


それから少しの間2人は話し込むと、

その後、ライトニングはお辞儀をして退出したのだった。


そしてその去り際に・・・。


「楽しいのはご理解出来ますが、ほどほどに・・・。

 では失礼致します。おやすみなさいませ」


「あ、ああ・・・おやすみ」


そう言って退出していった後、ユウナギは視線をマッサージ機に向けるものの、

「・・・じゃ~、寝よっかな」と呟き、そのまま就寝したのだった。



そして翌朝・・・。


いつものようにユウナギ家の1日が始まり、

朝食を取り終えたユウナギ達はそれぞれの仕事をこなして行った・・・。


そしてその夕方・・・。


それぞれが仕事を片付け帰宅し、リビングで寛いでいると、

ハインリヒが話を切り出していったのだ。


「ところでユウナギさん。

 アスティナさんからもらったプレゼントは使わないんですか?」


「ゴフッ!なっ、何だよ急にっ!?」


そう話を切り出されたユウナギは飲んでいたコーヒーを吹き出しそうになっていた。


「いやいや、急にも何も折角のプレゼントじゃないですか~?

 僕らもどんなモノなのか気になりますからね~?」


「・・・ふ、ふむ」


実はこの時ユウナギの心中では、

(あとでじっくりと性能を~♪)っと、内心わくわくしていたのだが、

思わぬハインリヒの言葉に少し迷惑そうな顔を見せていたのだった・・・。


ワクワクとした眼差しを向けて来るハインリヒを含め、

エマリアも頬を少し赤らめながら小さくコクンと頷いていた。


そんな視線にユウナギは項垂れると、

視界の端に入っていたアスティナの表情が気になり、

視線をそちらに向けると、ユウナギの視線が自分へと向けられたアスティナは、

慌ててその視線から外れる為に顔を背けた。


「・・・な、何よ?」


「いや・・・お前はどう思っているのかな~・・・ってな?」


「わ、私は別に関係ないでしょっ!?

 あんたにあげたモノなんだから・・・。

 だから私にそんな事を聞くんじゃないわよ」


「・・・そう・・・だな」


アスティナの言葉にユウナギは面倒臭そうに肩を竦んで見せると、

「しゃーねぇーなぁーっ!」と言って、2階への自室へと戻って行った。


そして暫くするとマッサージ機を収納しているバッグを持ってくると、

テーブルの上に置き中身を取り出したのだった・・・。


「ユウナギさんはもう試してみたんですか?」


「い、いや・・・説明書を見た程度だよ」


ぶっきらぼうに言いつつもユウナギはマッサージ機を組み立てていく。

その間エマリアとライトニングはソファーを部屋の隅へと移動させ、

マッサージ機が使用出来るスペースを確保した。


そして・・・。


「よしっ!魔石を入れてっとっ!」


ユウナギは説明書を見ながら指差し確認をし、

不備がないかを改めて確認した。


「さてっと・・・では早速・・・♪」


ユウナギは説明書をライトニングへと渡すと、

マッサージ機の上に仰向けになり横たわった・・・。


「で・・・?俺はどうすればいいんだっけ?」


そう説明を求めて来たユウナギに、ライトニングは説明し始めた。


「そうですな・・・まずは仰向けに寝そべったら、

 操作ユニットの電源を入れまして・・・。

 ふむふむ・・・少々お待ちを・・・」


「お、おう」


ライトニングは操作ユニットの電源を入れると、

「ピピッ」と言う音が流れた。

するとユウナギの頭部辺りに赤いラインが1本現れると、

ゆっくりと下へと移動し始めた。


それを確認したライトニングは言葉を続けた。


「今現れた赤いラインはですね・・・。

 ほほう・・・これはこれは・・・」


「なっ、何だよっ!早く説明しろよっ!」


「はい、この赤いラインはですな・・・。

 対象者の身体をスキャンする為の赤いラインのようですな」


「・・・スキャンって・・・おいおい。

 どうしてたかがマッサージ機にスキャンスなんてモノがあんだよ?」


「はい、この本体にはメーカーの最先端の技術が使用されているようで、

 体重や身長なども細かくスキャンし、

 その人に完全にフィットしたマッサージが行えるようになっているようですな」


「ま、まじかっ!?すげーなおいっ!」


物凄い機能を持っていたそのマッサージ機の性能に、

ユウナギ含めその部屋に居た全員が同じ感想を持ったのだった・・・。


「その他にも、体脂肪率や水分量・・・

 それに肌年齢なども分かるようですが・・・

 ふむ・・・なるほど~これはこれは・・・」


突然説明書を見ていたライトニングが眉間に皺を寄せると、

「う、うむ・・・」と唸り始めたのだった。


「ん?ライ・・・どうした?」


余りに厳しい視線で説明書を見ていたライトニングに、

ユウナギは怪訝な表情を浮かべた。


「こ、これはなんとっ!?」


突然そう声を挙げるとライトニングは驚愕している表情に変わると、

その表情にユウナギは不安げに言葉を漏らした。


「なっ!?一体どうしたんだよっ!?」


「はっ・・・ユウナギ様・・・。

 とても残念なお知らせが御座います・・・」


「・・・ざ、残念?」


「はい。頭皮のチェックなどを行う機能などは、

 別売りとなっております」


「・・・へっ?別・・・売り・・・?」


驚愕しているライトニングとユウナギの認識のズレが余りにひどく、

それを見ていた者達までもが頭の上に「?」となっていたのだった。


「・・・そ、そのって・・・マッサージ機に必要なのか?」


「・・・はい」


「・・・すまん、俺にはさっぱり理解出来ないんだが?」


とても残念そうにそう言ったライトニングに、

アスティナ含めた全員が口々に「それっている?」と言っていた。


するとライトニングの頬が「ピクリ」と引きつると、

やや興奮気味に反論し始めた。


「な、何をおっしゃいますかっ!

 だ、男子たるもの・・・頭皮の劣化は常に気にせねばなりませんっ!」


「「「・・・はい?」」」


「いいですか・・・皆さん。

 年を取れば頭皮の脂などは異臭を放つのですよっ!?

 それを事前に認識していれば、ケアなども容易に出来るではありませんかっ!

 この機能が有る無しでは相当違うのですよっ!?」


声を大にしてやや興奮気味に説明していくライトニングに、

一同唖然としつつも全員の視線がライトニングの頭部に向けられた事は、

言うまでもなかった。



それから暫くすると・・・。


「ピピッ」と再び音が鳴り、赤いスキャニングラインが消えた。


「で・・・?次は何だ?」


「・・・えっと・・・次はですね・・・」


ライトニングがそう説明しようとした時だった。


突然操作ユニットから不穏な音声が流れて来た。


「・・・対象者を拘束します」


「「「こ、拘束っ!?」」」


その音声と共に布からどう言う物理現象かは謎だが、

紐状のモノが出現し、あっと言う間にユウナギの四肢が拘束されてしまった。


「拘束完了致しました」


「なっ!?ラ、ライっ!一体どうなってんだよっ!?」


焦るユウナギと他の面々が慌て始めるのだが、

ライトニングは実に興味深そうに説明書を見ていた・・・。


「ユウナギ様・・・慌てる必要は御座いません」


「・・・そ、そうなのっ!?こ、拘束されるっておかしくねっ!?

 つーか、今音声で「拘束します」って言ってたじゃんよっ!?」


慌てるユウナギにライトニングは全く我関せずとばかりに説明書を見て行った。

そんなライトニングに流石のアスティナ達も詰め寄って来た。


「ちょ、ちょっとライっ!

 プレゼントした私が言うのも何だけど、本当に大丈夫なのよね・・・これ?」


「ライトニングさんっ!?ユウナギさん・・・

 これってまじでヤバくないっスかっ!?

 これ・・・まじで大丈夫なんですよねっ!?」


「ライトニング様・・・本当に問題ないのですか?

 その拘束のされ方がマニアが泣いて喜ぶ感じになっているのですが?」


「まぁ~落ち着いて下さい、皆さん・・・。

 マニアが泣いて喜ぶほどの完璧な拘束・・・実に素晴らしいではありませんか?

 それに説明書にもあるのですが、コレはそう言う仕様なようですよ」


「し、仕様って・・・」


「仕様・・・」その言葉にいち早く反応をしたのはユウナギだった・・・。


「ちょ、ちょっと待てーいっ!

 し、仕様ってっ!

 そんな言葉を使うメーカーにろくなメーカーはねぇーんだよっ!」


「・・・そうなのですか?」


「ああっ!何でもかんでも「それは仕様です」ってよっ!

 俺には「それは仕様DEATH」って聞こえるくらいヤベー言葉なんだよっ!

 この世界に来てまでバン〇ムみたいな言葉なんて聞きたくねーよっ!」


「・・・バン〇ムってなんスか?」


「す、すまん・・・ここでは説明出来ねー」


「・・・説明出来ないほどの組織って事っスかね?」


「色々とあんだよ・・・色々とな・・・」


声を荒げ始めたユウナギの言葉に、一同は妙な説得力を感じ始めるが、

一度動いてしまったモノは・・・急には止まる・・・事などはなかった。


「ウゥイィーンっ!」


「なっ!?」


「っ!?」×3


「・・・ふむ、実に興味深いですな♪」


1人を除いて慌て始めるが、そのマッサージ機からはこんな音声が流れて来た。


「・・・ソフトにしますか?それとも・・・普通?」


「なっ、何だよ・・・ちゃ、ちゃんと選べんじゃねーかよ・・・

 ビビらせやがってよ~♪」


そう安心しユウナギが胸を撫で下ろしたが、

その音声には続きがあった・・・。


「それともハード?・・・または・・・ヘル?

 または・・・ベリーヘルですか?」

 


「「「「っ!?」」」」


「ほぅ~・・・益々興味深いですな~♪」


「ヘ、ヘルって何だぁぁぁぁっ!?し、しかもベリーヘルってっ!?

 ちょっ、ちょっと待てぇぇぇぇぇっ!

 こ、これってただのマッサージ機だよねっ!?

 そ、そうなんだよねっ!?」


ユウナギ脂汗を浮かべながらそう絶叫した瞬間に、

操作ユニットからはこんな音声が返って来た。


「ご指示がないようなので、お試しモードに移ります。

 お試しまで後・・・1分」


「い、1分っ!?お、お試しモード!?

 な、何それ・・・?

 ラ、ライ・・・どうなってんだよ?」


「はい、実は基本的にコレは音声認識されるようでして、

 残念ながら音声認識はオフになっておりました。

 私とした事が、実に申し訳御座いませんでした」


「い、いやっ!いいっ!それでいいからっ!

 そ、それに・・・ざ、残念ってどう言う意味なんだよっ!?」


「・・・はぁ?」


「い、いや、だから~・・・さ、最初はそのお試しでいいってことだよっ!

 でも・・・な、何だな?

 変にこのマッサージ機ってばアナログな所もあるんだな?」


そう話していた時だった・・・。


それまでカウントダウンの数字が表示されているだけだったのだが、

突然操作ユニットがカウントダウンが「15」に差し掛かると・・・。


「・・・15、14、13」と、突然音声が流れ始めた。


「・・・えっ!?」


「と、突然・・・どうしたのよ?」


「ユウナギさん・・・僕、何だか嫌な予感が・・・」


「・・・わ、私も嫌な予感が」


そしてカウントダウンが「10」に差し掛かると・・・。


「10、9、8・・・」っと、

今度は通常の音声よりも低くて不気味な音声が聞えて来た。


ユウナギはその不気味な音声に顔を引きつらせると、

「いやぁぁぁぁぁっ!」と悲鳴を挙げた。


そしてカウントダウンが・・・「0」を迎えた時・・・。

その音声からこんな声が・・・。


「さぁ、御逝きなさい♪」と、その昔どこかで聞いた言葉が聞えて来た。



そして「ウイィーン」と聞こえた瞬間・・・。


丁度ユウナギの骨盤の辺りに何か突起物のようなモノが現れると、

それは次第にせり上がりユウナギの身体はガラケーのように反って曲がり始めた。


「うぐぅおぉぉぉぉぉぉっ!?

 な、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁっ!?

 ぐ、ぐぉぉぉぉぉぉっ!せ、背骨がぁぁぁぁぁっ!?

 いたたたたたたたたたたっ!?」


そう悲鳴を挙げ始めたユウナギに、

ハインリヒはオロオロとしながら慌てて声を張り上げた。


「ラ、ライさんっ!?

 これ・・・まじでヤバいですってっ!

 い、いやこれ・・・まじであかんヤツでしょっ!?

 き、緊急停止して下さいっ!こ、これまじなヤツですよっ!?」


慌てるハイリンヒの言葉にライトニングはとても冷静だったのだが、

「ふむふむ、なるほど・・・」と呟くと、

必死の形相でライトニングにしがみつくハインリヒにこう言った。


「・・・緊急停止と言うモノはないようですな♪」


「・・・はい?そっ、そんな訳ないでしょっ!?

 ラ、ライさんっ!そ、そんな冗談いらないっスからっ!?」


「いえいえ、冗談でも何でもないのですがね~?

 この説明書の最後にこう書かれておりました」


「な、何て書いてあったんスかっ!?」


「このマッサージ機は快眠をモットーとしておりますので、

 緊急停止等はその仕様に存在しません・・・。

 そう書かれておりますので・・・」


「「「はいぃぃぃっ!?」」」


「い、いやそれってっ!快眠どころかっ!永眠しちゃいますってっ!」


「ほっほっほっ♪上手い事おっしゃいますな~♪」


「上手くなくていいからぁぁぁっ!今はそんな事どうでもいいですからぁぁぁっ!」


ライトニングを問い詰めるハインリヒを他所に、

アスティナとエマリアは何とかユウナギを救出しようと足掻いていたのだが、

ライトニングの話す説明文に唖然としてしまった。


その間ユウナギは途轍もない悲鳴を挙げながら、

上下に引っ張られたり、首の根本から突然飛び出す突起物を躱したりと、

2ⅿほどのマッサージ機の布の上で、

何かと生死を分ける戦いを繰り広げられていたのだった。


そんな時だった・・・。

突然ライトニングの元に念話が入って来た。


「ん?あぁ~君ですか?で・・・いかがでしたか?」

 ふむ、ふむ・・・なるほど・・・。

 やはりそうでしたか・・・ご苦労でした・・・」


唖然とするハインリヒに視線を一度移しつつもユウナギへと口を開いた。


「ユウナギ様・・・。只今部下より報告が御座いました」


「ぐぉぉぉぉっ!し、死ぬぅぅぅぅぅぅっ!はっ、早くっ!早くぅぅぅっ!」


「薄々ですが私が思っていた通りで御座いました」


「うぎぁぁぁぁぁぁっ!た、助けっ・・・うがっ!?」


「実はこのヘルス&ヘル社ですが・・・。

 このメーカーは元々拷問器具を専門とするメーカーで御座いました。

 通りで細かく人体をスキャンするはずで御座いますね♪

 この私も長年生きて参りましたが、勉強不足で御座いましたな♪」


そう何事もないかのように冷静に話すライトニングに、

アスティナ達も声を張り上げていた。


「あ、あんたっ!微笑んで説明してんじゃないわよっ!?

 い、いい加減にコレを何とかしなさいってーのっ!?

 拘束具が伝説級とも思えるほどの強度なんですけどっ!?」


「そ、そうですよっ!ライトニング様っ!

 ユウナギ様がっ!私のユウナギ様がっ!?

 私を抱くことなく天に召されてしまうではありませんかっ!」


「ちょっ、ちょっとエマリアっ!?

 あ、あんたもこんな時にどさくさに紛れて変な事口走ってんじゃないわよっ!」


「えぇ~っ!?だって~・・・こんな時にでも言っておかないと、

 全然アピールできないじゃないですか~?」


「あんたバカ~っ!?

 何もこんなタイミングで言う事じゃないでしょっ!?」


「だって~♪」


「だってじゃないっわよっ!」



と、まぁ~・・・こんな具合にですね?

アスティナさんとエマリアさんと言い争いを始めちゃってね?


あっ!?ど、どうも皆さんお久しぶりです♪

この「やる勇」のナレーションを務める香坂 三津葉25歳の独身です♪

っと・・・それは置いといてっと・・・。


何だか私もナレーションしていて収拾着かないな~ってのあるし、

この後の原稿も実はなかったりするんですよね~♪

エンディング的にはユウナギさんの悲鳴が外へと響いていきながら、

ユウナギ邸をバックにフェードアウトするって言う・・・ね?


そんな感じで今回終わっちゃうんですけど~、

最後にライトニングさんがこんな事を言ってましたので、それをどうぞ♪


以上、ナレーション担当の香坂 三津葉25歳独身でした♪



「ほっほっほっ♪やはりアレですな~?

 通販でモノを買う時には、その会社の事も知らねばこうなるって事ですな~♪

 いや~・・・まさに教訓で御座いますな~♪

 ほっほっほっ♪」


「何でもいいから助けてくれぇぇぇっ!」


「バキンッ!」


「・・・あっ」





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