第12話 詰めが甘いですな?

エマリアの怒りが弾けたその瞬間、

人狼の能力が解放されゼロからトップスピードへと超加速させた。


通常人狼種は歴戦の勇士であったとしても加速はブースト2までとなるのだが、

エマリアはそれを超えブースト3まで超加速する事が出来る。


その理由はエマリアさえ周知しておらず、

いつの日かその理由を語られる日が・・・来る・・・かもしれない。



エマリアは超加速して刹那の瞬間ポヨンの眼前に姿を現した。


「・・・へっ?」


そう言葉を漏らした瞬間・・・。


ポヨンの頭部が吹き飛び、

夥しい血液を吹き上げながらエマリアの前に崩れ落ちた。


しかしエマリアは崩れ落ちたポヨンを見下ろしながら、

安堵の息を漏らす事なく口を開いた。


「・・・おっさん、これじゃ・・・死なないのよね?」


無表情でそう言うと、頭部のないポヨンはゆっくりと身体を起こし、

エマリアの眼前に立って見せると、

ゼリー状の物体がドロドロっと溢れ出し、

それは頭部を形どり、何事もなかったかのように笑顔を向けてきたのだった。


「フフフ・・・な~んだ・・・気付いていたのね?」


「これからよ・・・?はぁぁぁっ!」


「はぁ?」


「グシャ!」


「かはっ!」


薄気味悪く口を開いたポヨンに、エマリアもまたニヤリと笑みを浮かべると、

気合と共にポヨンの頭を抱え込みその膝をポヨンの胸板へと突き刺した。


「!?」


突き刺したはずのその膝から伝わって来たその感覚に違和感を感じると、

バックステップで距離を取り、ポヨンの胸板に視線を移した。


「・・・あぁ~・・・やっぱりね?」


エマリアがそう言うと、その視線の先の胸板はゼリー状の物質で覆われ、

再び何事もなかったかのようにもとに戻っていくのだった。


「おっさん・・・あんた、スライムなのね?」


エマリアの問いに笑みを浮かべたポヨンは拍手をし始めると、

上機嫌で話し始めた。


「フフフ・・・正解よ♪

 私はスライム種の中でももっとも残忍で豪食なスライム・・・。

 「グラトニー種」なの♪

 しかも~・・・その中でもより希少なスライムなのよ?

 超回復スキルは魔力とは関係なしに制限はないのよ~♪

 もう無敵でしょ?

 だから貴女が私に勝つ事なんて・・・出来ないわ♪」


そうのたまうポヨンに、エマリアの表情は崩れなかった。

そのエマリアの反応に顔を顰めたポヨンは、

まくしたてるように口調を速めていった。


「な、何よっ!?貴女っ!

 一体どこにそんな余裕があるってのよっ!?

 だいたいね~・・・貴女なんてスピードがちょっと速いだけじゃないのっ!

 それに貴女から感じる魔力量から察すると・・・少ないわよね?

 フンッ!魔力も乏しいくせに・・・余裕ぶってんじゃないわよっ!」


感情の赴くまま、まくしたてるポヨンだったが、

それでもエマリアは表情は崩さず淡々と答えていった。


「ええ、魔力量は少ないですが、そんな事関係ありません。

 それに私の持ち味はスピードとこの爪にあります、

 ですから何ら問題はありませんけど・・・それが何か?」



「くっ、くぅぅぅぅぅぅっ!え、偉そうにっ!

 あんた何様よっ!

 たかが人狼風情が偉ぶるモノじゃないわっ!」


ポヨンの顔がその苛立ちでみるみる赤く染まっていくと、

エマリアはニヤリと笑みを浮かべ口を開いた。


「おっさん、私がただ頭を吹っ飛ばした・・・だけ・・・って、

 そう思ってるのかしら?」


そう答えるエマリアにポヨンは首を傾げると、

体中をチェックしていった。


そして何事もないのを確認したポヨンは薄ら笑いを浮かべると・・・。


「ピシッ!」と音が響き、音がした方へと視線を向けると、

ポヨンは目を見開き明らかに動揺を浮かべたのだった。


「わ、私の・・・私の魔石がぁっ!?」


ポヨンが視線を向けた先には左腕に装着されていた魔石が真っ二つに割れると、

ポトリと落ちて塵と化してしまった。

それをワナワナと震え見つめていたポヨンに、

エマリアは冷たく笑みを浮かべていたのだった。


「・・・うっ、うぅぅぅぅ・・・きっ、貴様ぁぁぁっ!

 私の大切な魔石になんて事をしてくれたのよっ!」


そう怒鳴り散らすポヨンとは対照的にエマリアは冷静な口調で声を発した。


「・・・口調が荒れてますけど?」


「う、五月蠅いっ!五月蠅いっ!

 黙れぇぇぇっ!この人狼風情がぁぁぁぁっ!」


そうポヨンが怒鳴った途端、その塗装されたメイクが音を立てて亀裂が入ると、

奇声を挙げながらエマリアへ向けて猛然と駆け出した。



「キィェェェェェッ!シニナサイヨォォォォッ!」


猛然と突っ込んで来るポヨンにエマリアは薄ら笑いを浮かべながら、

右手の爪を再び伸ばしながら、何かを狙っているかのように、

その場から動こうとはしなかった。


「オシニィィィィッ!」


絶叫するポヨンの体当たりを食らうその瞬間・・・。


「・・・散っ!」


激突されたはずのエマリアの身体がまるで霧の中に溶け込むように

霧散したのだった。


猛然と突っ込んだポヨンだったが、エマリアが霧散した事により、

そのまま樹木へと激突すると、

その衝撃で周りで眠っていた動物達が声を挙げながら一斉に逃げ始めた。


「うぅぅぅ・・・あ、あの人狼の女はどこへと行ったのよっ!?

 まさかっ!わ、私を恐れて逃げたんじゃないでしょうねっ!」


怒気を沸き立たせながらそう声を挙げたポヨンに、

冷めきった声がポヨンの頭上から聞こえてきた。


「・・・そんな訳ないでしょ?

 しかしまぁ~・・・グラトニー種だっけ?

 この程度で希少種だとか聞いて呆れるわね?」


そのエマリアの声にポヨンは恐る恐る眼球を上へと向けると、

そこにはポヨンの頭の上で立ち、

まるで汚物でも見るかのような視線を向けるエマリアが居たのだった。


「い、いつの間に・・・!?」


「ただ突っ込んで来るだけとか・・・ありえないわね?

 それでも希少種なの?

 暴食の欠片さえ見当たらないわね?

 おっさん・・・あんた本当に希少種なの?

 それとも・・・やはりただのブタ・・・なのかしら・・・?」


「ど、どきなさいよぉぉっ!」


怒りに震えたポヨンは頭の上に立って居るエマリアへと魔力を放ったが、

一瞬で姿を消し数メートル先へと既に立って居たのだった。


「お、おのれぇぇぇっ!」


「あと・・・2つ」


そう唸り声を挙げながらポヨンは魔力を放出させるのだが、

エマリアのつぶやいた言葉を聞き、

その言葉に違和感を感じると顔を引きつらせながら視線を落としたのだった。


「・・・そ、そんなっ!?」


「ピシッ!ピシッ!」


「ポトッ、ポトッ」


その視線の先には地面に落ち塵と化した魔石が2つ・・・。

ポヨンは己の目で見た光景に茫然としながら言葉を漏らした。


「あ、ありえないわ・・・こ、これは・・・そ、そうっ!げ、幻術か何かよっ!

 わ、私は伯爵級なのよ・・・?

 それなのに、こ、こんな事って・・・」


現実が受け止めきれないポヨンは支離滅裂な言葉をつぶやきながら、

湧き出る汗を何度も拭っていたのだった。

そんなポヨンに対し、呆れた表情を見せたエマリアは、

ポヨンの秘密を口にし始めたのだった。


「ねぇ・・・おっさん・・・。

 あんたはその魔石で伯爵級と呼べるほどの魔力を得ているだけでしょう?

 私が気付かないとでも思ったの?

 そんなバレバレな装飾品に違和感を感じない訳ないでしょ?

 現状をしっかりと認識し受け入れる事ね?

 頼みの綱の魔石がなくなれば・・・あんたは一体どうなるのかしらね?」


ポヨンはギチギチと奥歯を噛み締めながらエマリアを睨みつけると、

今までとは違い、地声で話し始めたのだった。


「き、きっ、貴様・・・よ、よくも・・・よくもやってくれたなっ!」


「へぇ~・・・おっさん、見た目と違って中々イケボね?」


エマリアのその言葉とは裏腹に、その視線は油断している者の瞳ではなかった。

ただ1つわかる事があるとすれば、

それは・・・眼前の敵を排除しようとする者の瞳だったのだ。


その決意の表れを感じ取ったポヨンは、

エマリアへと手をかざすと、己のスキルを使用し攻撃を繰り出した。


「アシッド・スプラッシュッ!」


スライム特有の酸を無数の弾丸のように撃ち放つが、

決して油断する事のなかったエマリアには当然全て躱されてしまう。


「キィィィィッ!こっ、これならどうだっ!」


苛立ちながら両手をエマリアへと向けると、

その腕は伸び、濁った水色のジェル状の触手へと変化し、

ヒュオンッ!と音を立てながら襲い掛かってきた。


「・・・甘いっ!」


次々と交互に襲い掛かる触手を難なくバックステップで躱しながら、

冷静に見極め対処していった。


「あ、当たらないっ!?バカなっ!?

 ならばっ!こいつも避けてみるがいいっ!」


そう叫びながら繰り出されたポヨンの攻撃は、

触手と化した両腕から更に枝分かれでもするかのように分裂し襲いかかってきた。


「ふんっ!数が増えたところでっ!」


エマリアはいくつもの触手を華麗な体捌きで躱しつつも、

その視線はポヨンからはずす事はなかった。


「ドンッ!ドンッ!ドンッ!」と、ポヨンの触手は地面に大穴を開けるが、

エマリアに傷の1つも付ける事が出来なかったのだ。



「ハァ、ハァ、ハァ・・・」


肩で息をし始めたポヨンを確認しながら、

エマリアはチャンスを待ちつつ、少ない魔力を凝縮していった。


(これくらいの攻撃なら余裕だけど・・・。

 私の魔力の少なさには、我ながら本当に呆れるわね?)


表情には出さないエマリアだったが、

己の魔力量の少なさに、心の中では苦虫を潰していたのだ。


少しの間、ポヨンの怒涛の攻撃が続くのだが、

残り2つとなった魔石からの魔力の供給は次第に弱まり、

ポヨン自身の魔力も残り少なくなった時だった・・・。


「ゼェ、ゼェ、ゼェ・・・こ、この私が・・・。

 は、伯爵・・・級の・・・この私が・・・たかが人狼・・・如きに・・・」


両手を膝に着き息も絶え絶えにそう声を漏らすと、

「ヒュッ!」と、言う風切り音と同時に、既に聞き慣れた声が聞えてきた。


「・・・折角凝縮した魔力を使うまでもなかったわね?」


「・・・ヒィッ!」


ポヨンはエマリアの殺気に怯えると尻もちを着き、

エマリアの顔を見ながらガタガタと震え始めたのだった。


「ま、待ってっ!ちょっと待ってよっ!

 ゆ、許してっ!お願いよっ!

 な、何でもする・・・するからぁぁぁっ!

 だからお願いよぉぉっ!命ばかりはっ!」


「はぁ~・・・ほんとに呆れるわね」


命乞いをするポヨンにエマリアは肩を竦めて見せるとしゃがみ込み、

涙を流すその顔を鷲掴みにすると立ち上がり、

ポヨンが宙に浮いたまま話を始めた。


「・・・地下には何があるの?」


「ち、地下っ!?そ、それは・・・」


顔を握られているのにも関わらず、

ポヨンはその瞳を泳がせ問いに言い淀んでいると、

冷笑を浮かべたエマリアは、掴んでいた手に力を籠めながら、

残り2つあるうちの魔石を1つ・・・

その強靭な爪を伸ばし突き刺した。


「パキンッ!」と、魔爪が魔石の中央を突き刺すと、

音を立てて塵と化していった。


「い、痛いっ!痛いっ!お、お願いよっ!

 も、もうやめてっ!お、お願いよぉぉ・・・。

 わ、私・・・こ、この魔石がないと・・・」


「・・・ないと?」


そう聞き返すエマリアにポヨンは再び視線をずらしながら、

震える声で話始めたのだった。


「・・・わ、私はこ、この魔石のおかげで・・・自我か保てているの・・・

 だ、だからっ!お願いっ!

 最後の魔石だけはどうかっ!どうか見逃してっ!

 じゃないと私の記憶までもがっ!」


「そうなりたくなければ・・・さっさと答える事ね?」


冷たく言い放つエマリアにポヨンは項垂れながら小さく頷くと、

地下に在るモノについて話し始めたのだった。



「地下にあるのは・・・地下牢・・・です」


「地下牢?」


「はい、捕まえた幼子達を閉じ込めておく為の・・・」


「・・・むごい事を・・・」


(私の調査でも地下牢の存在なんてっ!

 ユ、ユウナギ様は・・・気付いていたと・・・?)


心の中で戸惑うエマリアを他所に、ポヨンの話は続いていった。


「そ、それと・・・。

 幼子達の血液を抜く・・・そ、その・・・工場が・・・」


「・・・ちっ!」


そう舌打ちするエマリアにポヨンは目線を落としつつ、

突き刺さるようなエマリアの殺気に身を震わせるしかなかった。



それから少しの間、エマリアはポヨンの話に耳を傾け情報を聞き出していった。

そしてその話とは・・・。


「今現在地下牢には・・・。

 およそ100人ほどの幼子がおり、血液を抜かれる順番待ちをしています。

 そしてそれを監視する幹部の魔族があと4人と、

 幼子達を監視する人族の奴隷達が20人ほど・・・居ます」


ポヨンの話を聞いたエマリアは眉間に皺を寄せ、

あからさまに苛立ちを見せていた。


「・・・ど、どうかそ、その怒りをし、沈めて・・・」


そう懇願するポヨンにエマリアは目を閉じると、

込み上げる怒りを堪え深く息を吐き出したのだった。


(・・・このブタ・・・殺す価値もないわね)



そう考えた時、再びエマリアの頭に直接声が響いてくると、

眉間に寄った皺がピクリと反応した。


(何を考える必要があるのですか?)


(あ、貴方はさっきのっ!?)


(今、私の事をお話する余裕はないかと思われますが?)


(そ、そうね・・・ご、ごめんなさい)


(ここで無駄に時間を過ごせばそれだけ・・・

 幼き命が1つ・・・また1つと消え失せてしまうのではありませんか?

 それを我が主、ユウナギ様がお望みだとは思えませんが?)


その声の主にエマリアは小さく頷き、

顔を掴んでいた手を緩めポヨンを解放すると、

小屋へと歩みを進ませた時だった。


「まっ、待ってよっ!」


「・・・まだ何か?」


ポヨンの声に肩口から見せたエマリアの瞳は怒りに満ち、

またその瞳を向けられたポヨンはその恐怖に顔を歪ませたのだった。


「・・・い、いえ・・・な、なに・・・も・・・」


震えながらそう声を漏らすポヨンは何も言えなくなってしまった。

そして肩越しにポヨンの戦意喪失確認したエマリアは、

再び歩み始めると小さな小屋の扉に手をかけ中へと消えて行ったのだった。



それか少しすると・・・。


「ガコンッ!」と、何かが音を響かせた後、

うずくまっているポヨンの前にライが姿を現した。


ポヨンは少し遅れてその存在に気付いたのだが、

それはポヨンへと向かうライの影によっての事だった。

決して・・・その気配を感じとったからではなかったのだ。


「あ、あんた・・・な、何者・・・よ?」


涙でぐちゃぐちゃに塗装がはげたポヨンは顔を上げると、

ナイスミドルだが無表情に見下ろすライの瞳に再び震えあがったのだった。


「・・・た、助けて・・・?

 お、お願い・・・よ・・・み、見逃して・・・見逃してよぉぉぉっ!」


泣き叫ぶかのように喚き散らすポヨンに、

ライは深く溜息を吐くとこう言った。


「我が主ユウナギ様はこうおっしゃいました」


「あ、主・・・?ユ、ユウナギ・・・様?」


無慈悲な視線をポヨンへと向けながら、

ライは内ポケットから取り出した白い綿の手袋を着けていくと、

ある気配に警戒しながらも言葉を発した。


「・・・消せ・・・と」


「ヒィッ!!」


「シュッ!」


風切り音がポヨンに届く前にポヨンは残った最後の魔石破壊され、

そのスライム種の急所となる魔核までもが真っ二つになり、

叫び声を挙げる暇もなく絶命したのだった。


「やれやれ・・・あの娘も詰めが甘いですな?

 いや・・・だからこその・・・人族と言ったところなのでしょうな?

 魔族である私には、理解出来ぬ事なのですがね・・・」


そう言いながらライはエマリアが消えた小屋へと向き直りながら、

後方から覗き見る視線に眼球だけを動かしていた。



(・・・ポヨンのヤツをからかってやろうと思って出て来てみれば・・・

 な、なんなんだよっ!?あの人狼の女に・・・あのじじぃはっ!?)


そう心の中で驚愕していたのは、

ライがその覗き見る存在に気付いていた魔族の1人だった。


(や、やべぇ・・・よ。あいつらはやべぇ・・・。

 人狼の女もだが・・・特にあのじじぃは・・・ヤバ過ぎるぜっ!)


いやに喉の渇きを覚えながらも、

どうしたモノかと考えていたその魔族だったが、

その視線の先に居たはずのライの姿がそこにない事に気付いたのだった。


(ど、どこだっ!?ヤツは一体どこへ行きやがったっ!?)


魔族の男は必至で魔力探知を使用しライの姿を探すのだが見つからなかった。


(くそっ!俺様とした事がっ!?)


そう心の中で言放った時だった・・・。


「私をお探しですかな?」


突然背後から声をかけられた魔族の男は、

その声を聞くのと同時に、瞬間移動しライから距離を取ったのだった。


「い、いつの間にっ!?」


「ほっほっほっ!今時の若者は礼儀をわきまえておりませんね?」


「なっ!?そ、そんなっ!?」


咄嗟に飛び退きライとの距離を取り振り返ると、

ライの両手の白い綿の手袋が、紫色に染まっていたのが目に取れた。


魔族の男は一瞬グラッと視界が歪むと、

己の視界が落下して行くことに気付き呻くように言葉を吐いた。


「・・・バ・・・カ・・・な・・・」


「ドサッ!」


その魔族の男が最後に見たモノは・・・。

こちらへ向かい歩みを進めるライの足元とその音だけだった。


「さて・・・。あの人狼の娘を追いませんとな?

 もし万が一の事でもあれば、

 この私が・・・リョウヘイ様に怒られてしまいますからな~・・・。

 はっはっはっ!」


夜空に向かってそう笑うとその声の残響だけが残り、

ライの姿はいずこかへと消えていたのだった。

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