夕暮れかくれんぼ
小さい頃のかくれんぼ
なんであんなに飽きずに
かくれんぼしてたんだろう
なんて放課後の教室で考えていた
出された宿題をする
家じゃマンガやゲームをしちゃうから
学校に残って終わらせた方がいい
人がいないからって
堂々とスマフォから流れる曲を聴く
日が暮れるまでには帰れそうだと
手を止めて窓の外を見た
遠くで吹奏楽部と野球部か
体育館の方でバレー部かバスケ部か
何かしらの声が曲の隙間に入り込む
そうしたら廊下からバタバタと音がする
ああ、走ってるなあ、なんて
ガラッと扉を開けられて体が跳ね上がる
「はあ、はあ、隠れるから!」
そう言って入ってきた奴は
掃除用具入れに入った
少し後にバタバタと音がする
なんとなく机に体を戻す
「なあ! えっと、あー誰かこなかった!?」
「え、見てないけど」
ついつい嘘をついてしまった
鬼は「わりぃ!」と叫んで出て行ってしまい
少し後に「もうへいき?」と掃除用具入れが喋った
「うん」と答えると、ゆっくりと扉は開かれ
辺りを見渡しながらニカリと笑った
「ありがと!」
どかどかと近づかれ、お礼を言われて
スカートのポケットから飴玉を二つ
机に置かれて「じゃあ!」と手を振られ
「うん」と返して
放課後が終わった
そんな日だった
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