保健室クラブ

ひとり、本を読んでいた

ひとり、備え付けのノートに何かを書いて

ひとり、持ち寄ったA4紙に何かを描いて


保健室クラブ


本は、まあまあ人気のライトノベル

ノートは、キャンパス

紙は、チラシの裏だった


先生と呼ばれる人は誰一人もおらず

ひとり、たちは言葉をかわすことなく

ただ淡々と時間を消費していた


大きな窓から入る日光の傾きだけが

時間を知らせている

開け放たれた、それは風を運び

ベッドを区切るカーテンを揺らす


ひとりたちの髪も揺らす

揺らすけれど、ひとりたちは好きなことをして

好きな時間を過ごし、好きに帰る


明日、ひとりいないかもしれない

明日、ふたりいないかもしれない

明日、さんにんいないかもしれない


保健室クラブ

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