第3話 俺にだって信頼できる奴はいる

俺は家に帰って速攻布団に入った。あの生徒会の面倒二人を振り切って疲れたからだ。「はぁ、ほんっと暇」

そんなことをつぶやいていると、スマホの通知が鳴った。

「はぁ、まったくタイミングが悪いな」

俺は通知を見て速攻誰かわかった。

【今ちょっと事務所に来てほしい。来れる?】

このようにメールが来た。

【やだ。だるい】と返した。

しかしすぐに返信が来た。

【重要な話なんだ】と返ってきた。こいつが重要という事はかなり重要なんだな。

仕方ないから俺はそいつの事務所に向かうことにした。


「おう、でどうしたんだよ重要な話って」

「あぁ、重要な話っていうのはお前を呼び出すための口実だ」

「じゃ、俺帰るから」

「お、おい!待てって!冗談!冗談だから!」

「じゃぁさっさとその要件を言えってんだよ!」

さっきから言い合いしてるこいつは如月雨水(きさらぎうすい)。

如月沙羅の兄だ。こいつは変わった事務所を経営していて、何かと変な仕事をしている。変な仕事をしているということだけは知っているがどんな仕事かは知らない。

正直に言って俺にはどうでもいい話だ。

「実際、何の要件があって俺をここに呼んだんだよ」

「いや、少し話がしたくてね。最近沙羅とはどうなんだい?」

「どうって何が?」

「いや、仲良くしてんのかって話だよ」

「そもそも付き合ってもないし仲良くも悪くもないから何とも言えん」

「まじで?ってか本人からは最近しゃべってないって聞いてたぞ」

「まぁ確かにしゃべってないな。今日の朝久しぶりにしゃべったぐらい。ってか何でそんなこと聞いてくるんだよ」

「まぁ、妹の幼馴染だしそのくらい聞いときたかったんだよ」

「そんなことで呼び出したのか。ほんっと相変わらず馬鹿だな」

「そんな馬鹿に付き合ってくれるところあんた優しいな」

「やさしさの塊なんでな」

「それはない」

「じゃ俺はもうお前に一生優しくしない」

「僕が悪かった。だから許してくれ。」

「そんなことで怒ってねぇよ。とりあえず、俺もう帰っていい?」

「あぁ、もういいよ。十分話は聞けたしな。あと最後に一つ。」

「なんだ?」

「・・・やっぱり何でもないや」

「なんだよ、ほんっと紛らわしいやつ。まぁいいや。じゃぁな」

「あぁ、じゃぁな」

そうして俺は事務所を出た。


「ほんっと鈍感だな」

響が出ていった後に僕こと如月雨水はつぶやいていた。

「沙羅が僕に相談しに来てたんだけどな。最近響が冷たいって。ま、俺にできることと言ったら妹のアドバイスぐらいだがな。」

そうして俺は新しい仕事を全うするために事務所を出た。










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