第五章 ロリライブ⁉ 皆で叶える夢の舞台?
第57話 師匠の家(10)
家のリビングに保護した<
メルク達には、逃げた場合の
これから【テイム】を行い、仲間にするのだけれど――
「ご飯でちか?」「弱肉、強食」
とルキフェとイルミナ。失敗した場合は、彼女達の夕飯となる予定だ。
青い<
一方、
これから『お風呂』なので、さっさと終わらせてしまおう。
「【テイム】!」
夕飯にするのは
光の魔法陣が展開され<ウサギ>を包み込む。
<モグラ>の方は
<ウサギ>は状況が飲み込めず、あたふたする。
(でも――今更、
多少は抵抗されたけれど、僕もレベルが上がっている。
すんなりと【テイム】は成功した。
光が消え、現れたのは青い
耳と
「残念でち……」「諸行、無常」
とルキフェとイルミナ。オカズが一品減った感覚なのだろうか?
メルクが――ホッ――としていた。
ウサギ幼女は尻を床に突いたまま、不思議そうに自分の手を握ったり、開いたりしている。自分の身体の変化に
(さて、次は<
僕が杖を向けると再び――ビクッ!――と反応した。
けれど、その場から逃げる様子はない。
どうやら、恐怖で動けないようだ。
(こんな性格で、戦力になるのかな?)
そんな事を考えつつ――【テイム】――を使用する。
今回もすんなりと成功した。
(やはり、変異種だと成功するのかな?)
メルク達の時といい、変異種の
(もしかして、自分が<ロリモン>になった自覚がないのだろうか?)
モグラ幼女は不安そうにオロオロとしている。
「キキッ! 失敗したでち……」「兄さん、空気、読んで」
とルキフェとイルミナ。失敗ではないし、空気を読むのはルキフェ達の方だ。
メルクは無邪気に――仲間が増えたよ!――と喜んでいる。
(さて、名前を付けなければいけないな……)
僕は<ウサギ>に『アリス』、<モグラ>に『ガネット』と名付けた。
「『ウサ子』と『モグ美』で良かったんだけどな……」
そんな
「ダメだよ! お兄ちゃん……」「
と三人。やれやれ、メルク達にも不評なようだ。
『アリス』と『ガネット』にも拒否されたので、少し落ち込む。
(ルキフェとイルミナは、さっきまで食べる気だったクセに……)
――
「しかし、また増えたのう……」
とは師匠だ。
「ゴメン……迷惑だった?」
僕の問いに、
「
気にするでないわ!――そう言って、そっぽを向く。
(だったら、素直に
「そう言って
僕は苦笑しつつ――お風呂に入る順番をどうしようかな?――と考えていた。
すると――
「それよりもじゃ――お風呂はどうするのじゃ?」
師匠が質問してくる。どうやら、同じ事を考えていたようだ。
先に小さい
師匠とメルクにアリス達の面倒を頼もうとすると、
「じゃあ……まず
いったい
「えっ⁉ 師匠は一人でも、入れるよね?」
思わず返した僕の言葉に、
「
と怒られてしまった。これが『パワハラ』というヤツだろうか?
(いや、『セクハラ』かな?)
どの道、逆らっても、いい事は無いだろう。
「分かったよ、一緒に入ろうか?」
僕が手を差し出すと――うむっ!――と師匠。
満足した様子で、その手を取る。
「じゃあ、その前に――」
僕は師匠に、皆の分の着替えとタオルの準備を頼む。
そして、先に『お風呂』で待っているようにお願いした。
「分かったのじゃ!」
と師匠。機嫌が戻ったのか、素直に返事をしてくれる。
僕はメルクとイルミナに――順番に呼ぶから、大人しく待っていて――と告げた。
「ア、アタチには⁉」
とルキフェ。
お願いしても――絶対に大人しくはしない――だろう。
(一番の不安要素が、
僕達は
次にアリスとガネットだ。
「じゃあ、二人とも……お姉ちゃん達の言う事を聞いて――」
大人しく待っていてね――と告げる。
「ア、アタチの言う事も聞くでち!」
とルキフェが割り込んでくる。正直、見習って欲しくない。
「<コウモリ>、反面、教師」
プクスッ――とイルミナは笑った。
そんな彼女をメルクが――よしよし――と頭を
「嫌でち! アタチもお姉ちゃんでち! お姉ちゃん出来るでち!」
ルキフェは床に転がって、そんな事を叫ぶ。
その様子から、まったく出来るようには見えないのだけれど、仕方がない。
「じゃ、じゃあ――ルキフェにもお願いしようかな?」
僕はその場に
正直に言って、不安しかない。
「ホントでちか?」
パッ――と笑顔になるルキフェ。
「<コウモリ>、無理」
そんなイルミナの言葉に、
「無理じゃないでち! アタチは出来る女でち!」
ルキフェは高らかに――キキッ!――と笑い声を上げる。
メルクとルキフェは顔を見合わせ、困った顔で苦笑した。
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