第7話 師匠の家(1)
森の中に
木製のその家は、なんと大樹と同化するような形で建てられていた。
(家から木が生えている?)
――こういうも、ツリーハウスというのかな?
やはり、ここは異世界だ。
この世界ならではの方法で、家を建てる文化があるらしい。
僕はルナ――ではなかった師匠――の家に着くと、足を
すっかり汚れた靴下は、もう
そのため、代わりの靴を
男性用だろうか? まるで、
奥の部屋に通されるとそのまま、ここで待つように言われた。
その間、僕は部屋の中を観察する。
新調された
口ではああ言っていたけれど、事前に部屋を用意してくれていたようだ。
(素直じゃないだけか……)
僕は苦笑する。しかし良く見ると、高い場所の汚れが残っていた。
この事から考察するに、掃除もすべて師匠が行ったらしい。
一人暮らしなのだろうか?
(まぁ、話し方からして、見た目通りの年齢ではないんだろうな……)
――ガチャッ!
ノックも無しにドアが開く。
「ホレ、この杖を持つのじゃ!」
そう言われ、放り投げられた木の杖を受け取った。
<
師匠は部屋にあった
「こっちに来るのじゃ」
と手招きをする。そして、
「背を向けるがよい」
フン!――と鼻息を荒くし、胸を張っている。
(ちょっと可愛いな……)
そう思いつつ、言われたまま従う。
すると、彼女は手に持っていた衣装を僕の肩に合わせた。
(
「コラッ! 動くでないわ……」
うーむ、これなら少し詰めれば大丈夫かのう?――などと言ったかと思うと、
「では、外に来るのじゃ……精霊との契約を行うぞ」
そう言われ、後について行く。
流れからいって、魔法の契約を行うのだろう。
顔や態度には出さなかったが、正直、少しワクワクしていた。
外へ出ると、改めて庭を観察する。
井戸と
獣除けの柵で囲われている。
(
「これから魔法を覚えて
まずは【ステータス】魔法を使用する事になった。
(お約束だね!)
――おっと、いけない!
僕は冷静さを
ジャージ姿で召喚された場合、【ステータス】は高くない
(浮かれるにはまだ早い……)
彼女の話によると、異世界人であれば――誰でも【ステータス】と声に出せば使える――という訳ではないらしい。
僕は師匠により召喚されたため、この世界に適応する能力を得たそうだ。
「その内、コツを
と師匠。僕は言われた通り――【ステータス】――と声を上げた。
すると、お約束のウィンドウ画面が目の前の空間に表示される。
† † †
名前:
レベル:1 分類:人間 属性:-
メインクラス:テイマー(魔物使い)
スタイル:未選択
サブクラス:-
ジョブ:ストレンジャー(異邦人)
ユニーククラス:マオモリ アスカ
タイトル:未選択
† † †
「師匠、出来たよ!」
「うむ、では<スキル>を確認してみるのじゃ!」
僕は手で、ウィンドウ画面を操作する。
† † †
<スキル>
SKILL:未取得
EXTRA SKILL:【優しい人】
MAGIC:【テイム】〔Lv.1〕
EXTRA MAGIC:未取得
ABILITY:【魔術(操)】〔Lv.1〕
EXPERTISE:未取得
※残り2枠習得可能
† † †
(やっぱり、チート能力は無さそうだ……)
――
僕は確認した内容を、そのまま師匠に伝える。
師匠は――なるほどのう――と納得した。
そして、魔法の説明を始めるのだった。
師匠
一つ目は――レベルを上げる――という方法。
(これはゲームと同じだな……)
レベルを上げるとスキル枠が増える事が理由だ。
メインクラスにはランクがある。
<初級>だと1枠、<中級>だと2枠、<上級>だと3枠分が習得可能となる。
<魔物使い>は<中級>のため、2枠分の習得が可能だ。
ただし、魔法のみを覚える訳にもいかない。
また、どんな魔法でも習得出来る訳でもない
習得可能な魔法は<メインクラス>や<サブクラス>、<ユニーククラス>によって決まる。
二つ目は――精霊などを呼び出して契約する――という方法。
(これは――<アビリティ>を習得する――という事かな……)
現在、【魔術(操)】を習得しているので――【テイム】の魔法が使える――という事になる。
<メインクラス>が<魔物使い>なので、自動的に習得しているのだろう。
ゲーム的にも――【テイム】の使えない<魔物使い>って
三つ目は――スクロールやオーブなどを使用する――という方法。
(これは――ダンジョンでアイテムを手に入れろ――という事かな?)
お店で購入する他、依頼の報酬で手に入れる場合もある。
ガチャを引く――という手もあるのだろうけど、現状では無理そうだ。
四つ目は――他者から
(誰かゲームだと、イベントで弟子入りするんだったかな?)
もしくは、特定の相手を倒す事でも習得出来た
ゲーム的にはミニゲームのクリアによる、ちょっとした息抜きのイベントだろう。
特定のパーティでダンジョンを攻略した場合も習得出来た記憶がある。
――と自分なりの
(
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます