第5話 30万年ぶりの復活から即、消去

 この話は、財産を独り占めしている超大金持ちと、空売りという他人の不幸で設けようとしている投資機関と売り煽りは●ねという怨念によってかかれております。


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 ン=グリア像とは地球の大阪地方で流行したビリケンサンという像に似ていた。

 ダイヤと見まがうような宝石状のものもあればグラデーションがかったり様々なバリエーションがある。 

 この惑星に設置も一体だけ、どうやら高さ1m程度の岩石を溶かして作った石像がある。

「この像はゲルマニウムと硫黄とルナチタニウムを絶妙なバランスで配合し、その光彩の美しさや、0。0001mmの制度で整った局面で価値が変わる像でして、この美しさを求めて資源を採掘しています。その起源といいますと「なるほど、その像は何かの通貨になるってわけか?」」

 長くなりそうなので遮った。

 お金なら電子マネーとか紙幣にすれば良い気もするが、精巧なガンプラ(25世紀でも大人気)にはオークションでも高い値段が付いていたし、そういった需要があるのだろう。

 そう納得していたのだが


「通貨?


 斜め下の回答がかえってきた。

「えーと、通貨ってのは物を交換するために皆で取り決めて物々交換をするものだな」

「それだったら資源をそのまま持っていた方が便利じゃないですか?」

 そうか。何にでも変換できる装置があれば物々交換をする必要が無いから通貨の概念がなくなるのか…

 いや、それだとかさばるじゃん。便利なようで却って不便だぞ、それ。

「なので、ングリア像の美しいものは、重量の1万倍~1億倍の資源でトレードされています」


 それを通貨っていうんだよ。


 いや、違うか。自分で作れるっていう点を考えると、一時期流行った仮想通貨みたいなもんか。

 そんなものを作るために優秀なフンババたちを使っているのを見ると『マイニング』と称して大量のパソコンを買い集めていた方がまだ健全に見える。

 これだけの科学技術と資源があるのに、そんなことに人生を費やすのか。

 種族や文化が変わっても、生物のやる事はたいしてかわらないんだなぁ。


 そんなことを考えているとフンババが同僚のフンババから呼ばれていた。

 通信機の端末を渡されると、急に頭を下げて

「あ、はい。こちら5DFAS657です」

 と言いだした。認識番号ってやつだろうか?

 通信機の相手に頭を下げながらフンババは

「え、でもあれは配給された資源の中から使用したもので、違法では…」

 違法?

「あー。用途以外の使用にあたりますか。はいはい。ああ、なるほど。わかりましたー」

 まるでうちの営業課長が本社の電話に出ているかのような応対をしているなぁ。いつの時代でも勤め人は辛そうだ。


 会話を終えてフンババがこちらに戻ってくる。

「本星から、なんだって?」

「いや、たいしたことではないんですが」

 そう前置きして


「本星から連絡があり、


「は?」


「ですから、本星から連絡があり、私とあなたは消されることになりました」

 これ以上ないくらい たいした事だよバカ野郎。



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 ングリアゲ像はお気づきの通り、2021年現在 仮装通貨を生み出すためにパソコンや半導体が買い占められている事への皮肉です。

 その機能、ゲノム解析に向けられたら10年位研究が進むんじゃないの?と思います。

 まあ、人類の発展は自分の財布が増える訳ではないので仕方ないですが…

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