20話 シカタナイヨネ
ウソビリくんによって嘘が発覚し2回も嘘をついた上に2回とも電撃を浴びた情けない自分の息子にスコーンパパは冷ややかな視線を送っていた。そしてそれに気づいたスコーンは即座に姿勢を正して弁明をし始めた。
「父上誤解しないでくださいませ!これはきっと何かの間違いなのです。こ奴がが警備所に忍び込んでウソビリくんが逆に作用するように改造したに違いないのです。でなければ清廉潔白な私がアババババババババ!」
(さっきだけでも2回も連続で電撃を浴びていると言うのに懲りずに正直に話さず条件反射のように嘘をついてしまっている辺りこのフランスパン、よっぽど本当のことを喋らずに嘘をついてしか生きてこなかったのか?ここまでくるとあだ名を噓製造機に変更するべきか悩むところだな)
大河がスコーンがまたしても電流によって彼の髪がいい感じに焼きパンのようになっているのを見ながら彼へのあだ名を継続するか悩んでいる中、スコーンパパは情けなさから蔑むような視線を絶賛感電中の
電流が流れ終わった後、大河はスコーンに付けたベルトを外してスコーンパパにベルトをつけ直して一言告げた。
「何か適当に本当のことをどうぞ」
するとスコーンパパはスコーンに向けて呆れながらもほんの少し間違いであってくれといった感じで僅かに期待を込めて一言放った放った。
「お前は私の息子だ」
ウソビリくんは起動することなく沈黙を守り、それ故先程までのスコーンの証言が偽りであると立証されてしまい、なんともいたたまれない空気が流れていた。大河はスコーンパパに付けていたベルトを自分の腕に付け直装着してから一言呟いた。
「私はこの世界で一切犯罪行為は行っておりません」
スコーンパパと同様にウソビリくんは起動することな静かな時が流れると同時に時間が経つにつれてスコーンパパが無意識に垂れ流す威圧感が強まっていった。
「さぁ今一度聞こうか。こうはどういうことなのか説明してもらおうか。私に嘘をついた件も含めて詳しくな」
スコーンパパが鬼の様な形相で今にも凍ってしまうと錯覚しそうになるくらいの冷凍ビームの視線で息子を睨みつけていた。そしてそれを見て自分の未来を悟ったモヒ・カーンはすかさず逃げようとするも、それを察知したカーンパパが逃すまいと彼の首元掴んで闘争を許さなかった。
「そんなに慌ててどこに行こうと言うのかね?我が息子よ」
「少し用事を思い出しまして」
「大丈夫だ、現時点では今の出来事以上に大切な用事などは存在しない。もし支障をきたすようなことがあれば代わりに私が処理するから安心してここに残るのだ」
これから自分の罪が明らかになると思う悟ったのかモヒ・カーンはみるみるうち顔が青ざめていく。その様子を見た大河はモヒ・カーンが持ってきていたもう一つのウソベル君を手に取り、そのベルトを彼の手首にとても嬉しそうな表情で巻き付けようとしていた。
「やめろ、離せ!俺に一体何をさせようとしているんだ」
「見れば分かるだろう?さあ君もこれを付けて今までのことを正直に話すんだ」
「なんてものを付けさせようとしているんだ。お前に人の心はないのか!」
「何を言っているんだい?僕はただこれを付けて正直に話してくれと言ってるだけじゃないか。何も心配することなんてないさ。本当の事を発言するのであれば何も起きやしないのだから」
モヒ・カーンは只々怯えた様子で首を左右に振りながら涙目になりながら拒絶していた。大河が今目にしている光景がただの通りすがりの時に見たものであれば同情し庇おうとしたかもしれないが散々被害を被られた大河には微塵もそんな気持ちは湧き上がらなかった。
「俺だってこんなことをしたわけじゃないんだ。だから大人しく従ってくれよ」
「嘘つけ!ここに来て今までにない嬉しそうな満面の笑み浮かべてんじゃねーか!そんな顔で言われても全く説得力ないんだよ」
「はははは、何を言っているんだい?俺は元々こんな顔だよ。それとも君はそんなに視力が悪いのかい?まだ若いのに早くも老眼とは可哀想に」
「そういう事言ってんじゃねーよ!本当は俺たちに仕返しできそうで喜んでんだろ」
「そんなことないさ。別に勝手に手錠かけっられたりこんなところに連れてこられたり、ない罪を押し付けられそうになったから二度と立ち上がれなくなるぐらいに徹底に復讐したいとかそんなんじゃないんだ」
「いや、絶対あるだろ!」
「ただ俺の無実を完全に証明するにはこの方法しかないんだ。だからあくまでいやいやながら仕方な〜くやっているんであって、君が誤解しているような俺が今までの恨みを晴らしたいからとかみたいな個人的感情が理由なんかじゃないってことは理解してくれるとありがたいな」
「そんな無駄にいい笑顔浮かべなら仕方なくやってるとか大嘘言ってんじゃねーよ」
「君が正しいのなら君のこれまでの行いを証明する大きな手助けにもなるんだよ。なのに何をそんなに怯えているんだい」
「やめろ!やめ、やめてくれ!やめてください!!私は悪かったのでどうかそれだけは勘弁してください」
当然大河は聞きいれる事はなくモヒカンの絶望した顔とは対照的にニコニコ笑顔で彼の腕にベルトを装着した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます