第14話 SHは恋のイニシャル


そんな僕たちだから、ノートのどこかに好きな子の

イニシャル書いたり。


誰かに見られて恥ずかしかったり。




SH、は初美ちゃんかな。

HSだと思うけど、間違えたのか。


理科室の机に落書き(笑)。



初美ちゃんはにこやかで

ピアノが上手、天然パーマでグラマーさん(笑)。


人気のまと(笑)なので

イニシャルが良く書かれてたっけ。


ともチンはTSなんだけど、あんまり見かけないのは

美人だし、フランス系の顔って

ちょっと親しみがないのかも。



隠れファンは多いらしい。






クラスにひとり、水泳部の桂子を好きになったらしい奴がいて。



美術室の落書きから、

それがやまこーの仕業だ、とか噂になって。



みんな、ひそひそ。



しんも、楽しそう。「やまこーも面白い趣味!」



なんたって、勝也をぶん殴る女傑。


そういう潔いのがいいのかな。



そういえば、やまこーは

どっちかと言うといじめられっこに近かったから。


やや小柄で陰気、大人しい。

悪い奴じゃないけど。

そういう所で、お母さんタイプの桂子が好きなのは

わかる。


わかるって言うか、僕は

やまこーと友達だったから

打ち明けられた(笑)。



「桂子と上手くやりたい」って。





僕は思う。

ともチンも僕に打ち明けたっけな。

 


女の子ならまあ、力になってあげてもいいけど。




でも、かわいそうだから。



その話を、桂子にしてみる事にした。




そしたら、桂子は「やだーあんないじいじしてんの」



(笑)まあわかるけど。



それを桂子は、みんなの前で言っちゃった(笑)。




やまこーにとっては<a href="http://www.youtube.com/watch?v=RFBCTLS_Kog">涙のハプニング</a>。


相性ってあるのかな。


僕は怨まれて(笑)

ずっと後、大人になるまで

口を利いてもらえなくなった。

やまこーに。


でも、元々陰気な奴だったし

根に持つ奴は苦手だったから

ちょうど良かった(笑)。



とは、後でそう思っただけで。



その日、3時間目だったか授業がはじまったら

彼が居ないことに

誰かが気付いた。



どうしたんだろ?


「アレ見て?」って

たけが言うので、壁新聞になってたグラフ、クラス全員の名前が書いてあるそれ、に

やまこーの苗字が、桂子の苗字に書き換えられてた(笑)。


誰がやったんだろ?と

思った。


とにかく探そうよ、って

その授業はたまたまAKGの時間だったから僕はそう言った。


でも、お堅い先生「学校で探します、自習してて」って。



職員室に戻って、先生は

黒電話でやまこーの家に掛けた。




...あっさり見つかった。

「なーんだ、つまんない」って、赤木は言う。

彼女はちょっと怖い所がある(笑)。



「何を期待したんだ?」って

サッカー部のシミけん。



そういうと、赤木は黙った。




もう2Fには戻れない。

やまこーはそう言って、泣いてたらしい。




「かわいそう。」ともも

ゆうも、そういった。


でも、二人とも女の子なのに

片思いの相手につれなくされても平気。



強くていいなぁ。って

僕は思った。



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