第40話 第21.5局②

 本当に弟子君は分かってない。弟子君の元気がなくなったら、姉さんがどれだけ心配するか。多分だけど、今の姉さんの支えは、きっと弟子君なんだ。もしも弟子君が体調を崩したら、私が弟子君の所に行って怒鳴りつけてやる。・・・まあ、冗談だが。


 スマートフォンの電源を切り、ベッドに潜り込む。目を閉じ、今日の将棋を反芻しているうちに、だんだんと睡魔が襲ってきた。頭がぼうっとする。ふと、弟子君の顔が頭の中に浮かぶ。




 そういえば、どうして私は、ラインのメッセージじゃなくて、電話をしたんだっけ。




 私はゆっくりと眠りの中に落ちて行く。起きているのか、眠っているのか分からない状態の中で、私はこんなことを考えていた。




 声が・・・聴きたかったのかな。

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