第17話 4月10日放課後※結衣視点
6時間目も授業に身が入らずそのまま放課後を迎えた。心がボロボロだ…
「よう、結衣一緒に帰るか?」
教室の扉の前には翔がいた。
ゑ?何で?何で翔がこんなところまで?
「いやー、結衣が一緒に帰りたいんじゃないかと思って」
ダメだ。完全にバレてる。
「うん!帰ろう!」
諦めよう。抗うことを。
こうして他愛のない話をしながら家まで帰ると姉の紗由もちょうど同じ時間に帰ってきてた。
あ、これまずいやつやん。絶対茶化されるやつやん。
「いやいやお熱いことで」
ほらー!だからお姉ちゃんには2人でいるとこみられたくなかったのに!
「いやいや、そんなことないですよ」
翔が冷静に返してくれた。
「だってー、手も繋いでるし?」
言われてから気づいた。私と翔は無意識のうちに手を繋いでいたのだ!お互いにそのことに気づき顔を赤くして手を離した。
数秒の沈黙。そんな中口を開いたのは翔だった。
「あの!俺用事あるんで!」
「ちょ…!」
翔が逃げだした。帰ったではない逃げ出しただ。絶対今のは戦略的撤退だ。
「よかったじゃん結衣!手繋げたんだね!」
「う…言わないで…」
この後私も逃げ出してベッドで悶えたのはまた別の話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます