第16話 4月10日5時間目※結衣視点
結局あのあと私は弁当をかきこんで早々に逃げ出した。恥ずかしすぎた!あれ以上あの場にいればおかしくなっていた。今も顔は熱いし授業の内容も頭に入ってこない。そもそも5限ってなんだっけ?
「じゃあこの時の主人公の気持ちを姫野分かるか?」
あーもう何も考えさくない...
「...衣、結衣!指されてるよ!」
どこかへ行っていた私のことを楓が呼び起こしてくれた。
「あ、ありがと楓」
「姫野ー、ちゃんと聞いとけよー」
あのバーコード頭...そうか5限は現国か...
その後の内容も全く頭に入ってこないまま授業は終わった。
「どうした結衣?結衣が話きかないなんてはじめてじゃん」
楓に聞かれた。
「え、えっと...それは...」
「なるほど北条絡みか」
「何でわかるの!?」
「結衣が悶々としてるのって北条絡み以外にないから」
「う...」
「昼休みに北条と弁当食べてたらそれはもう確信だよ」
現実逃避をしたくて周りを見回すとクラスメイト全員がこちらを見ていた。
「やっぱり北条って奴と姫野さんは付き合ってんのかなー?」
「そもそも北条って誰?」
「あの姫野さんと一緒にご飯を食べるんだ絶対イケメンだよ...」
「北条...憎い...」
「どうやら北条って奴は2組らしい」
「よし、2組に突入だ!」
「殺す...殺す...」
以上ここまで男子の反応。殺意が感じられたが気のせいだろう。
「結衣ちゃんは北条くんって子好きなのかな?」
「絶対好きだって!」
「そうだよ!弁当作ってきたらしいよ!」
「5時間目の授業も力入ってなかったし!」
以上女子の反応。バレてる!さよなら私の平穏な学校生活...
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