第12話 4月10日昼休み

「翔!」

そう言って結衣が駆け寄ってきた。

「ど、どうした結衣?」

周りを見るとクラスメイトが騒がしい。

「何だ何だ?ただの幼馴染じゃ無かったのか?」

「え?何?やっぱり付き合ってるのあの2人?」

「結局幼馴染が勝つのか...」

「ラブコメ的展開だな...」

「は?くたばれ北条」

「死ねや」

疑問や恨み、殺意など反応は様々だ。

...いやちょっと待て、殺意はおかしくないか?

「で?どうしたんだ結衣?」

結衣はクラスメイト逹の反応に顔を赤くしてフリーズしている。俺どうすればいいんだ?これ。

「おーい翔、結衣のこと引っ張って中庭まで行ってこい」

蓮が助け船を出してくれた。

「じゃあそうするわ。結衣、いくぞ」

俺は結衣のことを引っ張って中庭へ向かった。


◇◇◇◇◇◇◇


「結衣ーそろそろ直ってくれ~」

「はっ⁉︎」

結衣の魂が戻ってきた。

「私何やってた!?」

「心ここにあらずっていう感じだったなー」

「それはごめん!」

「全然いいぞ、それより何しにきたんだ?」

「そ、それは...か、翔の分のお弁当も作ってきたから一緒に食べて欲しいの!」

え?なんで?どうして?Why?What'up?

結衣は赤くなって固まっている。

俺はこういうときどうすればいい?



ー答えは簡単だ。


「わかった結衣一緒に食べよう」

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