第9話 4月10日朝.2

結衣と一緒に学校へ行った。この事実が学校についても頭から離れない。



「うぃーっす」

教室へ入ると蓮が寄ってきた。

「随分とお楽しみだったじゃないか」

「そ、そんなんじゃない!手を繋いだのは結衣が転びかけたからだ!」

「その割にはたのしそうだったな〜?」

「うっ…」



蓮の言うことも間違いではない。好きな人と手を繋げて楽しそうにしない人はいないと断言する!

……本当だよ?



「まあ良いじゃないか、結衣も嬉しそうだったし」



その時、クラスメイトが寄ってきた。名前がわからないからAとでもしておこう。何故覚えてないかって?…男子には興味ないからだよ。



「ちょっといいか?」

「どうぞ?」

「お前、姫野さんと付き合ってるのか?」

「付き合ってないが、何でだ?」

「いや、お前と姫野さんが手を繋いでたのを見た奴がいてな」

「ああ、それなら繋いではいたぞ」

急に教室がザワザワうるさくなり、話しかけてきたAが人形のようになった。

「おい翔、それは爆弾発言だぞ」

「別に繋いでたこと隠す必要もないだろ」

「はぁー、本当わかってないなー」

「何がだ」

「色々だよ」

「それで何で手を繋いでたんだ⁉︎」

お、Aが復活してるぜ。

「結衣が転びかけたからだな」

「お前らの関係はなんだ⁉︎」

「ただの幼馴染だ」

「何だ良かった…」

「手繋いでる時結衣幸せそうだったな〜」

「!!?」

「蓮、本当かそれ?」

「うん、そうだけど?」



そうか、結衣は俺のことを好きなのかもな…

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