第5話 4月9日夜※結衣視点
私は夕飯を食べてから楓に電話をかけた。もちろん恋愛相談のためだ。
「ねぇ〜楓ちゃ〜ん」
「うっせぇ何だ」
「全然翔が気づいてくれないの〜」
「あいつは鈍感だからなぁ〜」
「どうすればいい⁉︎」
「知らねぇ〜」
「真面目に答えて!」
「そうねぇ〜、明日から毎日一緒に学校行けば?」
「えっ無理だよ〜恥ずかしすぎる!」
「そんなこと呑気に言ってると他の人に翔取られちゃうよぉ?」
「それだけはやだ!」
「じゃあ今日中に誘っちゃうんだな〜」
「うん!頑張る!」
そうは言っても恥ずかしいものは恥ずかしい。そうだ、蓮に伝えてもらおう。
蓮に電話をかけた。
「もしもし蓮」
「なんだよ寝ようとしてたんだけど」
「まだ7時じゃん…」
「まあ嘘だからそんなマジになんなって」
「本当かと思ったじゃない」
「学校での俺のニックネームをさては知らないな?」
「聞いたこともないし食べたこともない」
「食べることはできねーよ…」
「それで?ニックネームは?」
「眠りの国の王子様」
「あんた王子キャラじゃないじゃん…」
「ツッコミどころそこ⁉︎いやまあ確かに王子キャラではないけれども!」
「どこにツッコミが欲しかったの?」
「学校で寝過ぎでしょ家で寝なさい」
「申し訳ありませんがそのご意見には対応しかねます」
「で?本題は?」
「そうだった!蓮なんてどうでも良かったんだ!」
「ひ、ひどい」
「で、明日から翔と一緒に学校行きたいんだけどそのこと伝えてくれない?」
「全然いやなんだけど」
「自分で伝えるのは恥ずかしいの〜!」
「わかったわかった」
「本当⁉︎」
「わかったから自分でやれ」
「ひどくない⁉︎」
「しゃねーなやってやるよ」
「ありがとう!」
「そのかわり明日の朝自分で翔の家に行け」
「まぁそれぐらいなら…」
「じゃあそういうことで〜」
私がこの後ベッドの上で悶えてしまったのは秘密である。
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