第4話 4月9日放課後

「あっ、翔!」

そう言って結衣が駆け寄ってきた。

「ど、どうしたの結衣?」



結衣への恋心を意識したから思わずキョどってしまった。



「あ、あのね、えっと……」

そう結衣が言葉を濁していると

「結衣が翔と一緒に帰りたいんだってさ」

「ゑ?」



ゑ?どういうこと?うわー、俺の顔絶対赤くなってんじゃん。恥ずかし。冷静冷静。



「ちょ、ちょっと蓮!」



ゑ?何なの?蓮の嘘じゃないの?何で結衣の顔は赤くなってるの?



「結衣、本当か?」

「ぅ、ぅん」



消え入りそうな声で結衣は肯定した。勘違いするな俺!たまには俺達3人で帰りたかったんだろう!



「よーし、じゃあ蓮、結衣、帰ろうぜ」

「え?俺は帰らないけど?」



ゑ??



「は?じゃあ俺も待ってるわ」

「いやお前は結衣と帰ってろよ」

「いや何でだよ、結衣は3人で帰りたいって言ってたじゃん」

「そんなこと言ってない!」

今まで赤面していた結衣が急に割り込んできた。

「私は翔と2人で帰りたいの!!」



ゑ?

☆¥°%#$€○*〆|々??!

勘違いするな俺!蓮がいないから俺と2人で帰りたいだけだ!



「じゃあ帰るか」

「えっ」

「帰るんじゃなかったのか?」

「この鈍感男、そういうところも好きだけど」

「なんか言ったか?」

「もう知らない!」



ずっとポカポカ叩かれながら家まで帰った。

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