第79話
「テメーがな、俺の世界を滅ぼさなきゃ、俺はこんな面倒な真似ぇしなくても良かったんだよ!!」
そう、覆面男は叫んだ。
世界を滅ぼされた、そういえば、このカルサ・エルゴ神は、最低な神だと、シュテイルは言っていた。
あらゆる異世界を滅ぼした破壊神。呑気に紅茶を飲むお爺さんにしか見えないが、最悪な面も持ち合わせている。
「だって暇だからさ、神様って。最初に世界を滅ぼした時、その荒廃した世界を見たのは感動を覚えた。同時に……世界の消滅とは、なんて悲しいんだろうと思ってしまったよ」
「だったら……最初から世界に手を出してんじゃねぇー!」
まったくその通りだ。
もしも俺の世界が唐突に滅ぼされてしまって、その理由が暇だったから、なんて言われたら、俺は確実にこの神を許せない。
「だから、せめてその戦利品として、世界の一部をコレクションにする事にしたんだよ。私の気に入った世界は、殆ど、丸ごとコレクションにしてね。我が息子よ、私のコレクション、神の遺産は中々素晴らしいものだったろう?」
神の遺産。あのガチャの内容か……。
「あまり言いたくないですけど、排出率、悪すぎですよ」
「ふはははっ!流石我が息子だ。ガチャの内容に文句を入れるかい。普通の人間だったら私の下劣さに口を利かないか、世界そのものを滅ぼした事を責めるだろうに」
……俺は本当にこの人と血が繋がっているのか。
「笑い事じゃねぇーんだよ!!。俺は、世界を取り戻す為に、神になったんだ、……結局、それが叶う事は無かったがよ」
「本来ならば、神が死亡した時点で、次代の神にその座と全ての権威が与えられる筈だった…彼は強い。私の〈
近くに置いてあるお菓子の棚からマカロンを取ってそれを口に放る。
モグモグとお菓子を食べてそれを飲み下すと。
「けど彼が神になるのはムカつくから彼の世界を取り戻させない様に私の遺産を愛すべき人類に託したんだけどね」
「テメェー!そんなまどろっこしい真似しやがるからッ!俺はダンジョンとか色々発展させたんだぞー!1」
ふはは、と叫ぶ様に笑うカルサ・エルゴ神。
覆面男はそんな老人の悪意に満ちた笑みに怒りの声を上げていた。
「覆面男が、神になった経緯はなんとなく分かりました。けど、何でダンジョンとか展開したんですか?」
ファンタジー世界を作る為、と彼は言っていたけど。
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