第3話

 片付けに呪術科目は必須です。

 あぁ、待って。もう少し、読んだらちゃんと分かるから。


 片付け、あるある。あちこちに何故、似たり寄ったり同じものがあるのです? お前はこれから店でも始めるのかと、在庫がたくさん出てきます。文房具など細々したものから、お布団など丸々としたものまで、ハサミひとつをとっても、何本あれば気が済むのかというほど出てきます。


 そこで、冒頭の一文に戻ります。呪術科目の中でも初歩的な『蟲毒』を使います。説明をすると、虫を……いえ、もっと楽しい感じで説明しますね。まず我こそがセンターだと深い欲望を持つ候補生さん達を集めて、同じステージにズラッと立たせます。


 そして、これから何をしても良いから、最後までステージで生き残ったらセンターねと、渦巻く欲望と欲望をデッド・オア・アライヴさせます。すると、何ということでしょう。最終的に、エネルギッシュかつ輝いている子がステージに立っているではありませんか。


 そんな可愛い蟲毒戦法を片付けに組み込むのです。たとえば、筆記用具。分類してみると、シャーペン・ボールペン・油性ペン・万年筆・特殊ペンという具合に分かれます。そのジャンルの中で1つだけ選ぶとしたら、どれにするかを決めていきます。ねぇ、簡単でしょう?


 いつか使うなんて言って取っておいて、現在まで絶賛放置中。いらないよね、そんなもの。てか、インク乾いてもう書けないよ、パッサパサ。いつまで部屋に転がしとくの。ちゃっちゃと捨てよう、ゴミ箱に。


 そんな感じで最初は、書けないペンはペンじゃねぇ精神で分類します。色鉛筆の金属ケースが6個ぐらい見つかり、中を開けば全部カラという事例がありました。ふざけるなと叫んで投げ捨てそうになりましたが、暴力はいけません。そっとまとめて捨てました。ガワだけなんていらねぇです、中身があっても捨てたけど。という風に、ゴミ袋直行便にどんどん乗せていきます。


 こんな感じで雑貨を片づけていき、飽きたら苦手な本を片付けます。まず一番大事なのは、家にある本が最寄りの図書館やネカフェで読めるかどうかを調べます。蔵書検索で出てこなければ、捨てることをためらっても構いません。また図書館に関しては、予約依頼をかけたら近くの図書館からお取り寄せもできるサービスもあるので確認しておくといいでしょう。


 さて。どこかで読める本は、売り払い箱に片足を突っ込ませます。両足でも問題なければ箱の中に沈めましょう。その箱が程よく埋まれば、向かうは古本屋。運ぶ際には、腰を痛めない程度で段ボールの底が抜けてしまわない、そんなちょうど良い量でお願いします。


 どこかで読める本を売り払い箱に入れようと手にしたとき「この子はこの子じゃダメなのよ」と心が叫んだら、売り払い箱に突っ込んでいた片足を引っこ抜いてあげてください。その本は特別です。特別な本とは共に、特別であり続ける期間、添い遂げましょう。特別じゃなくなったら、そのときは感謝の一言と共に古本屋へ背中をグイッと押してあげましょう。それもきっと、ひとつの愛の形です。


 あと本に関しては、便利な世の中になったもので物理本だけではなく電子本も増えてきました。ありがたいことです。自分自身しか見ない本は、思い切って電子書籍にするのもオススメです。……べ、別に、見つかったら気まずいエロ本を電子の海に隠そうって誘ってる訳じゃないからね。


 そんなこんなで、ラブリーチャーミィな蟲毒戦でラスボスにジワジワと攻撃してます。今回の報告は以上です。

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戦闘開始!! ~ラスボスを倒す話~ ぴけ @pocoapoco_ss

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