(3)流れ星にはご用心
土煙が巻き上がっていたので、場所はすぐにわかった。
地面が、無残に削り取られている。
星は地面にぶつかってからも、土を抉り取るようにして、少し進んでからやっと止まったようだ。
肝心の落ちた星の方へ近づくと、土煙と共に、熱い風がカイの顔へ吹き付けた。
空気の壁へ突入する際、ものすごい高温になったのだろう。カイは昼間のように明るくなった理由がわかった。
星は、ヘンテコな形をしていた。
三角錐(カイはこの時はまだこの言葉を知らなかったが)に近い、不思議な形だ。
カイは小さい頃、よくこんな形の積み木で遊んでいたことを思い出した。
ちょうどこんな形の積み木を、お城のてっぺんとしてよく使ったものだ。
星の表面は真っ黒に焦げており、どうやらまだ熱を帯びている。
触るのはまだよそう、と思ったその時。
ぷしゅーーうという大きな音が鳴り、そのヘンテコな星が開いた。
カイはあまりの情報量に、状況が全く飲み込めず、その場で固まった。
落ちた星と、ぽつんと少年。
しばらくしてカイはハッとして、気がついた。そしてまさか、と思って近くに駆け寄った。
その、まさかだった。
「人…!?」
星の中には、人が入っていた。気を失っている。どうやら女の子のようだ。
どうして、どうしてという言葉が頭を駆け巡ったが、カイは慌てて彼女を星から引っ張り出し、急いで家へ運んで行った。
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