第5話 地味な子



でも、その時の事は、あまり印象が無かったのか

いままで、思い出せずにいた。



女の子なのに、飾り気がなく

地味なズボンを履いて、制服のジャンパーを羽織っていたから

本当に、雰囲気の中に消え入ってしまうような、そんな感じだった。



明るい陽射しきらめく5月のことだった。











今思うと、この、5月のfirst contactがはじまりだったのかもしれない。


ほんのちょっとした気遣いだった、筈だけれども。



もしも、誤解だとすると

ちょっとした勘違いが2年も続いた事になる、のだけれども。








その時から1年近くが過ぎ、2年目の春。



プロジェクトは相変わらずだったが、人事の都合で

グループの編成変えがあった。



僕は、プロジェクトが変わらないのに別のグループに移籍になった。

変な人事だが、会社というのはそんなものだ。


まして、僕はフリーランスだから

もともと人事には何の関係もないのだ。


と、思っていたのだが......。




グループが変わって

初めてのミーティングの日。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る