第3話 コンビニのアルバイト
そうそう、ちょっと前にバイトしたコンビニでも似たような事があったっけ。
16や17の女の子が、一生懸命にオトナのふりをするのは可愛かったっけ。
僕に対等目線で話そうとしたり。時には、ワガママを言ったり。
自由でよかったな、あの頃は.......
そう、僕はまだこの夏はその子の事を
特に意識しては居なかった。
なんか、ぎこちないヘンな子だな、と思っていただけだった。
ここのオフィスは大所帯で、女の子は沢山居るし
そんなコトをする子も沢山居るから(笑)
ワン・オブ・ゼムに過ぎなかったのだ。
とはいえ、なんとなく「ああいう子は大切にしてあげないと」
なんて思った。
でもそれは、年下の子が辛い目に合わないように、と思うような
そういう気持ちだった。
この子は、同僚といると妙にはしゃいだり、それでいて
あまり、他の女の子とは連れ立っているような素振りもない子だったから
.....なんか、淋しくしてないといいな....。
と、思ったりもして(笑)、ひとりで廊下を歩いてるときとかに
たまに、声を掛けたりした。
声を掛けると、嬉しそうににっこりする時もあれば
俯いて「おつかれさまです」なんて言うだけの時もあったりして
なんか、気分にムラがある子みたいだった。
秋が来て、冬が来て。
ある日のミーティング、会議室に早く着いた僕は
のんびり窓から青空を眺めていた。
誰もいない会議室、大きな空と山をみながら、のんびりしていた。
その子は、ひざ掛けを持ってひとりで入ってきた。
廊下であったりすると、ぎこちなく硬い表情なのに
周りに誰も居ないと、とても可愛らしい表情でにこにこしながら、入ってきた。
また、他愛もない冗談を言ったりして、僕はその子を楽しませようとした。
寒いの?とか言って、暖房のスイッチを入れようとしたら
冷房が入ってしまって、びっくりして、でも、楽しそうに笑うその子を見て
僕も楽しかった。
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