第2話 meeting
ミーティングの時、なぜかその子と僕は離れて座る事が多かった。
遠くでぼんやりと眺めていると、視界にその子が入ってきたりして
時々、僕の方をちら、と見ていたりするので
僕はどっきりとして、思わず視線を合わさないようにした。
どこのオフィスに行ってもそういう事があって、困ることが多かったのだ。
どうも、外見が大人しく見えるのか、いろいろな人から何か、要求される事が多くて。
それがまあ、自分の好みの女の子だったら意識されるのもそう、悪い事ではないけれど
その子は、どう見ても僕の姪くらいの年齢だったから、僕も格別に意識するほどの存在足り得なかったのだ。
その年の夏、僕がコンピューター・ルームにいると
その子はちょこちょこ、と歩いてきて「パソコンがヘンなんですけど...」
僕は、ハイハイ、とにこにこしながら様子をみてあげた。
「ありがとうございます」と、折り目正しく、でも、なーんとなくぎこちない笑顔だった。
僕も、ふだんは気にしないのに、この時は、夏だったから
.....汗臭くないかな...
なんて、ちょっと気にしてしまって(笑)すこし、その子との距離を置いた。
何故かと言うと、その子が僕の直ぐそばに居たからだった。
.......ちょっと、困ったな....。
僕は、回想していた。
以前もよく、こういう事があった。
20代、普通のサラリーマンだった頃
毎年入ってくる新人のOLの中に、かならずこういう子が居た。
無意識なのか、意識的にしてるのかは解らないが
ちょっと、困ってしまう。
あの子の名前はなんて言ったっけなあ.....
30代になっても、それはあまり変わらなかった。
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