決闘前夜
俺達は前回と同じように、混み合う一層と二層を抜け三層まで降りてきていた。
「今回は最初のフロアボス討伐を目標に、第五層まで進もうと思う」
「了解です」
「了解しました」
「おう!」
今回の
前回の反省も生かして、今回はゆっくり確実に攻略していく予定だ。三層は
「よし!牛若丸の実力、見せてやる!」
もう刀の銘を考えたのか、早いな。もしかして、一周間前からずっと考えてたんだろうか?
近藤は牛若丸を納刀状態で構え、魔物との間合いを見極めていた。魔物が近藤の間合いに入ると、高速の居合が放たれた。刃は軌跡を残して、魔物の首を跳ね飛ばした。
「すごいですね。これが居合切りですか」
マイクが感嘆の声を漏らす。確かにすごい居合だったが、実は少し種があるのだ。
近藤に渡した刀は、鞘と刀本体で一つの魔導具として機能するように作ってある。刃に魔法を刻み切れ味をあげているのはもちろん、鞘にも魔法を刻んである。納刀状態で魔力を鞘に込めることで、
ただ、この機能をさっき伝えたのに、もう使いこなしている近藤もすごいのだが。
「おぉー!牛若丸ぅーーー!!」
さっきから、興奮しすぎなので褒めるのはやめておこう。
そこからは順調に進んだ。三層は近藤が率先して戦っていたので、俺達の出る幕はなく四層に突入した。四層ではマイクを前衛に俺が中衛、ルイが後衛で近藤が遊撃という陣形で進んだ。現れる魔物はゴブリンと呼ばれる二足歩行の緑色の怪物で、陣形をとる程度に知能もあった。ただ、現れた端から俺がレールガンで頭を吹き飛ばしていったので、戦闘らしい戦闘はなかった。
そして、俺達は順調に五層まで到着した。
「慎重に進んできたお陰で、なんのアクシデントもなく来れたな」
「ああ、戦闘もなかったけどな」
「順調ならいいじゃないですか」
近藤は五層であまり戦えなったので、少し落ち込んでいた。逆に、ルイは順調に進めて嬉しそうにしていた。
俺達はボス部屋の前まで移動すると、作戦を確認した。まず、俺がレールガンで先制攻撃を行い、マイクと近藤が前に出て戦う。俺とルイが後ろから二人の支援をする。他にも有事の際の対処など、一から十まで確認を行った。
「よし、行くぞ!」
「はい!」
「おう!」
俺は扉に手をかけ、押し開けた。扉が開くと俺達は陣形を保ちながら、中へと進んで行った。中にはゴブリンキングと呼ばれる、ゴブリンの上位種が待っていた。
俺はすかさず先制のレールガンの射撃を放った。放たれた弾丸は、ボス部屋にいた全ての魔物の頭を吹き飛ばした。
「お、おわりか?」
「いや、まだ何かあるはず」
近藤がなにかのフラグみたいなことを言うので、それから少し警戒していたが何も起こらず。俺達はあっけなく第五層のボス部屋を攻略したのだった。
***
それから、俺達は決闘前日までレベル上げのために
「ジョブレベルは十二。申し分ないな」
「本当に、明日の決闘で勝てるんですか?」
ルイが心配そうにしているが、問題はない。正直、
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