第10話サイクリング
朝食を摂り終え、自宅を出て自転車に跨がり、適当に自転車を走らせることにした私と灯莉。
提案した灯莉が目的地も決めず、勢いまかせに言ったと唇を尖らせ、拗ねながら言い訳してきた。
結局、予定が入っていないのだからと、訪れたことのない隣街までサイクリングをしてみないかと提案した私だった。
私の提案に彼女が首肯し、行き当たりばったりの小規模な旅を敢行したのだった。
たまにはこういった趣きのあることに興じるのも良いな、と流れる景色に思わされた。
信号待ちをしている間、彼女が「新鮮だよね、ワクワクしない?こういうの」と訊いてきた。
彼女が浮かべていたのは笑みで、楽しそうなのがなによりと感じた。
「そうだね......ちょっとした冒険みたい」
と返し、信号に視線を移すと青に変わり、「変わったよ」と彼女にペダルを漕ぐように促した。
辺りに広がり、生える草花が風で小さく揺れていた。
自転車を走らせていると神社や鳥居だけが建っているのをよく見掛けた。
へぇー、こんなとこにも、といった声を漏らしながら新鮮な景色を目に焼き付けた。
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