第5話嫌な水泳の授業で
陽射しの光りが水面で反射し、キラキラと輝いていた。
水面から上がり、プールサイドの縁に座って、足だけを水に浸けたままばたばたと動かし水飛沫をあげる私と灯莉。
一通りのメニューが終わり、自由時間となった途端にはしゃぎだす女子達をみて呆れた表情になった私。
「来年もあると思うと、嫌になるよね。水泳って」
と、そう愚痴った灯莉。
「そうだね」
私は頷き、短く返した。
女子なら理解してもらえるだろうけど、水泳なんてやりたくないという人が多くを占めるだろう。
スクール水着で授業を行うなんて、恥ずかしいし、スタイルが良くないと周りからあれこれ陰口を言われかねない。それに女子特有の例のノリにいつ襲われるか分かったものじゃないからだ。
他人に触られるのが敏感な私にとって、例のノリは苦痛なのだ。とてつもない苦痛を味わうことになるのは御免だ。いくら同性であったとしても、だ。
教室から丸見えであるプールで、教室で授業を受けている他学年や同学年の男子の目に晒されていると思うと羞恥心が増すというものだ。
体育は二クラス合同で男女別れての形だ。
暑さを凌げるのは有り難いことではあるがこれを引き換えにしての水泳の授業というのはわりにあってないと私は思っている。
話題を振ってきたら会話を交わす程度な女子が水をかけて誘ってきた。
「芽愛~一緒に遊ぼ~」
「良いよ、私のことは気にしなくて」
「そう~?わかったぁ」
離れたのを確認して、灯莉と会話を交わす。
授業の後は、昼休みに入るが灯莉に更衣室で二人きりになるまで居てと言われ──。
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