第32話 1月3日
ピンポーン!
いったい誰だろう
まだ正月だって言うのに
僕は玄関から「どちらさまですか?」と聞くと
そこには亜美の声が聞こえた。
どうしたの?と僕は玄関を開けながら亜美に聞いた
親戚の人がいっぱい来ちゃって
居づらいといか何というか
そっか!
僕からすると羨ましい悩みだね
家に入る?
外、寒いし
あがっても良いの?
麦茶しか無いけど大丈夫?
大丈夫だよ、ありがとう
亜美は靴を脱いで家にあがった
僕は、「一階はトイレと仏壇の部屋しかないから、2階にあがってきて」
暫くして、亜美が恐る恐る2階に上がってきた
どうしたの?と僕が聞くと
「私の家と全然ちがうから」
普通の家がどうなのか分からないけど
2階に台所があるのは珍しいって言ってたよ
「だれが?」
真奈美ちゃんだよ
週末はだいたい来るから
「そうだったね、そう言えば」
「ねぇ?」
どうしたの?
「真奈美ちゃんとの噂って、、、、」
いまさら聞くの?
「だって、真奈美ちゃんは本当って言ってたけど」
「けんいち君は何も言ってないから」
そう言えばそうだね
運動会とか行事事が多かったから
気がついたら皆、忘れてたもんね
僕も忘れてたよ
「で、どうなの?」
僕はちゃんとした答えを亜美に伝えて良いのかを考えた
どれくらいの時間がたったのだろう
「けんいち君、」
「もう、良いよ」
「ごめんね」
うん、
でも、なんで聞きたくなったの?
「けんいち君はあゆみちゃんの事が好きでしょ?」
「見てたら分かるよ」
「そして、あゆみちゃんも好き」
「みてたら分かるよ」
小学校に入ってからずっと好きだから僕は
「そうなんだ、」
うん
「結構、クラスに可愛い子いっぱい居るのに?」
可愛い子は確かに居るけど
僕は、あゆみが良い
「そっか!」
「真奈美ちゃんも可愛いし、私も自分で言うのは恥ずかしいけど可愛い方だと思うんだけど」
亜美ちゃんは確かに可愛いよ
あゆみ、亜美ちゃんの2強でしょ
体育の時間とか結構、亜美ちゃんの話してる男子いるよ
「そうなの?」
「なんか恥ずかしい」
そういうものなの?
「そうでしょ、自分が居ない時に噂になるって」
僕はきっと、僕の身近な人にしか興味が無いから
「身近って、私にも興味が有るって事?」
もちろん!
三人がいるから僕は小学校に行く様なものだから
居なかったら行かなくても良いし
あんな窮屈な空間にいたくもないし
「そんな、私の事、好き?」
どちらかと言うと好きだよ
「良かった!」
なんで?
「お邪魔だったら嫌だなって」
でも、亜美ちゃんが居たから
あゆみと真奈美ちゃんが仲良くなれたんじゃない
「そうかな?」
「でも、そう思ってくれて、ありがとう」
別に、僕は何もしてないし
「そんな事ないと思うよ」
どういうこと?
「けんいち君は自分では気づいて無いんだよ」
何が?
「優しいってこと」
僕が、優しい?
ただ、興味が無いだけだよ
「そういう事じゃなくて」
「興味がある人にはちゃんと優しいって事」
「だから、もっと興味を持ちなよ」
わかんないよ
どうすれば良いの?
亜美は突然、僕の顔に近づいてきた
「ほら!」
うん?
「私も、してみたかったの」
亜美は突然、僕にキスをした
「じゃっ!」
「そろそろ、帰るね」
「ありがとね!」
玄関まで送るよ
「うん」
「お邪魔しました」
誰もいないよ
「知ってるよ、だから着たんだもん」
そう言って亜美は帰っていった
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