第31話 お正月
クリスマスが終われば直ぐに正月がくる
大体の人は年の瀬になれば大掃除、おせち料理などの準備をしている
僕には、関係の無い話し
流石に、あゆみも真奈美ちゃんもお婆ちゃん、お爺ちゃんの家に行く
僕は、田舎と言える所は無い
お婆ちゃん、お爺ちゃんも見たことが無いのだ
正月も父が居る時はそれなりに賑やかだったと思うが
僕が、もの心ついた時にはもう父は居なかった。
母子家庭になってからは正月に人が集まることも無ければ
御節料理も食べたことがない
当たり前だがお年玉なんてもらったことが無い
同級生達はお年玉でゲームを買ったりと楽しい思い出なのだろうが
僕には無関係だった。
正月前まではあゆみも真奈美ちゃんも亜美も居たから寂しくは無かった。
去年は、一人で家に居ても寂しいと思ったことは無かったけど
今年は、一人で居る
今までも、一人だったから平気だと思ってた
でも、違った
友達の大切さが分かった瞬間だった。
母は住み込みで仕事をしている
年末年始は毎年、忙しいらしく連絡は一つも来ない
姉たちは大人ので帰ってくる事は無い
クリスマスから年末年始は
10個違う姉たちからしたら青春時代で何をやっていても楽しい時期だっただろう
僕も、早く大人になりたかった
大人になってお金を稼いで好きな物を買って楽しく生きたいと強く思っていた
母や姉達を当てにしても
どうにもならない事は分かっていた。
そんな、正月でも楽しいことが無かったわけでは無かった。
僕は、箱根駅伝が好きで毎年みていた
大人が一生懸命に走って、倒れて、泣いている姿を見るのが好きだった。
その時だけは、寂しく感じる事無く過ごせていた
そして、箱根駅伝が終わる1月3日に
玄関からベルが鳴った。
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