第27話  抱きしめる


夏休みが終わり新学期が始まった。


僕と真奈美ちゃんの話は予想以上に広まり担任の先生から呼び出しがあった、

「お母さんに電話してるんだけど、連絡が繋がらない」と言う事を聞かされた

その後、噂になっている話が事実なのかを聞かれた。


僕は、嘘をつく事は嫌いだ

嘘は、自分で自分を傷つけていると小さいころから思っていた

虐めも経験している、友達が居ない

ずっと孤独だ

だから、自分の気持ちには正直になりたいと考えていたからだ


僕は、ありのままの話を先生に話した。


真奈美ちゃんが何を話したのか気にしなかった。

家に帰れば真奈美ちゃんが居ると思ったからだ


事実、悪い事をしたのか

大人になれば大体の人が経験する事ではないのか

それが、人より早いだけで大人に怒られる意味が分からない


家に入ると、

「お帰り、賢一君」

「うん、ただいま」と優しい口調で言った。

「どうした?元気ないじゃん」

「そうかな、真奈美ちゃんの方が元気ない様にみえるけど」

「そりゃー私が思っていた以上な事が起きいるからね」

「先生にはなんて言ったの?」

「僕は、正直に言ったよ」

「え!なんで?正直に話したの」

「嘘を言ってもしょうがないじゃん」

「嘘は良くないけど付いても良い嘘だってあるよ!」

いつも家に居るときは無理やり元気な素振りを見せたり

寂しい顔をしている真奈美ちゃんが怒っている

「ごめん」と僕は小さい声で言った。

「賢一君はさぁ、間違ってないよ、でもね、私の気持ちだってあるよ、なんでもかんでも正直に言って賢一君はスッキリするだろうけど、私の事も見てよ」

真奈美ちゃんは、肩を落とし泣き始めた。


しばらく、真奈美ちゃんは顔をあげなかった。


そのころの僕は、どうしたら良いか分からなかった。


僕は、真奈美ちゃんの頭を優しく包み身体を抱きしめた。


その時の、真奈美ちゃんはとても可愛くてキスをしたくなった。

でも、しなかった

真奈美ちゃんが僕の胸で気持ちよく寝てしまっていたから















真奈美ちゃんはどうか分からない、同じ場所で話をしていないから、

どんな話をしたのかわからない


今、知ったところで驚くことも無い


家に帰ればたぶん真奈美ちゃんは僕の家に居る、週末だから


事実、僕は悪い事をしているのか

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